igawa's Blog

おもに読書と本に関するブログですが、Mac/iPhone、数学、音楽の話題など例外の方が多いかもしれません。

読んだ本

青島幸男『人間万事塞翁が丙午』

本書は、タイトルに記憶があったので、中古ショップで発見して買っていたものです。 著者は、40代以上なら間違いなく知っている故青島幸男さん。マルチタレントとして活躍されていたようですが、私の中では、テレビドラマの「意地悪ばあさん」です。「欽ちゃ…

江戸川乱歩『心理試験』

先日紹介した『二銭銅貨』に続き、江戸川乱歩短編集に収録されている『心理試験』を読みました。 江戸川乱歩のデビュー作ということもあって、『二銭銅貨』の方が評価が高いのですが、個人的にはこっちの方が数段面白いと思います。1985年版の文藝春秋編『東…

中島義道『人生に生きる価値はない』

中学・高校の頃、親からよく「おまえは変わり者だから困る」と言われていました。就職した頃以降は普通になったと思いますが、確かに昔は、近所付き合い、友達との接し方など、親の立場から見たら変だったのかもしれません。そういう自覚は多少あります。 し…

マップラバーから、マップへイターへ。

生物学者 福岡伸一著『福岡ハカセの本棚』を取り上げたエントリーで、福岡ハカセお薦め本の中から気になる20冊を紹介しました。実は、この本の「はじめに」に書かれていたことの中に、わたしにとって重大な発見がありました。 福岡ハカセの本棚 (メディアフ…

根上生也『ピジョンの誘惑』〜論理力を鍛える70の扉〜

「鳩の巣原理」とは 001「鳩が10羽いるのに、巣が9個しかないならば、どこかの巣には 2羽の鳩が入ることになる」 これを「鳩の巣原理」と言います。「部屋割り論法」とか「引き出し原理」などと呼ばれることもあります。証明は必要ないでしょう。 (出典:Wi…

集英社文庫編集部『短編工場』を読んで、短編小説に目覚めました。

これまで、短編小説というものを、無意識に長編より低く位置づけていたせいなのか、積極的に読みたいとは思いませんでした。 よく考えると、クラシック音楽に対しても同様のスタンスなので、聴くのはほぼ交響曲に限られていて、短い曲、小編成の曲、ピアノ曲…

秋山進『「一体感」が会社を潰す』異質と一流を排除する〈子ども病〉の正体

「組織と人の問題」は、どこの会社でも永遠の課題かと思います。今回、「一体感」というキーワードに釣られて、この本を読んでみました。 「一体感」が会社を潰す 異質と一流を排除する<子ども病>の正体 (PHPビジネス新書) 作者: 秋山進 出版社/メーカー: PH…

江戸川乱歩『二銭銅貨』

今年没後50周年を迎える江戸川乱歩のデビュー作『二銭銅貨』を読みました。 わずか34ページの短編です。 江戸川乱歩短篇集 (岩波文庫) 作者: 江戸川乱歩,千葉俊二 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2008/08/19 メディア: 文庫 クリック: 11回 この商品を含…

神永正博『直感を裏切る数学』

「数学」は役に立たないものの代名詞のように使われることがあります。しかし、ほんのちょっとだけ分かっていなかったばかりに、日常生活で誤った判断をしてしまうことも起こりえます。 「数学は苦手だから」は、「人見知りだから」とか「高所恐怖症だから」…

月刊サイゾー 2015年4月号「ウェブテクノロジー大全」

「ヤバい◯◯」とか、毎回怪しげな特集で気になる月刊誌「サイゾー」ですが、最新号は「ウェブテクノロジー大全」です。 正確にいうと、「大全」という文字の前には一文字の「◯禁」が入っていますので、もちろん技術解説の類いではありません。 サイゾー2015年…

開高健『輝ける闇』

とても面白い小説や感動的な小説にはときどき遭遇しますが、作品自体に圧倒されてしまうという小説は滅多にありません。今回読んだ開高健の『輝ける闇』は、まさにそういった作品でした。 輝ける闇 (新潮文庫) 作者: 開高健 出版社/メーカー: 新潮社 発売日:…

叱れない上司、叱られたい部下

週刊ダイヤモンド(3月28日号)の「叱れない上司 叱られたい部下」という記事を読みました。 叱れない上司がいるのはわかりますが、叱られたいという部下が存在することに驚いて、思わず買ってしまいました。 この特集は3つのPartに分かれています。 増殖す…

金谷武洋『日本語に主語はいらない』(その1)

昨年、『日本語に主語はいらない』(金谷武洋著)という本についてのエントリーを書きました。 金谷武洋『日本語に主語はいらない』(その0) - igawa's Blog なかなか刺激的な話なので、本の内容をまとめるためにも、章ごとにブログに書いていこうと考えて…

ベトナム戦争を知らないと損をする。

いま、ベトナム戦争を題材にした開高健の小説『輝ける闇』を読んでいます。 数十ページ読み進めたあたりで、文章の中に「ベトコン」とか「政府軍」とか登場してきて、「これはまずい・・・」と思い始めました。 その意味合いがよく分かっていないからです。 …

佐々淳行『平時の指揮官 有事の指揮官』〜あなたは部下に見られている 〜

東日本大震災からちょうど4年の今日、本棚を眺めていたら、十数年前に読んだ『平時の指揮官 有事の指揮官』に目が留まりました。 平時の指揮官有事の指揮官―あなたは部下に見られている (文春文庫) 作者: 佐々淳行 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 1999/1…

池波正太郎『西郷隆盛』

My幕末読書シリーズ第2弾として、池波正太郎の『西郷隆盛』(角川文庫)を読みました。 西郷隆盛 (角川文庫) 作者: 池波正太郎,蓬田やすひろ 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2006/03/25 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 31回 この商品を含むブログ (…

森博嗣『孤独の価値』

昨秋テレビドラマ化されたミステリー『すべてがFになる』の作者森博嗣によるエッセイ『孤独の価値』(幻冬舎新書)を読みました。 著者のエッセイを読むのは4冊目ですが、いずれも「ちゃんと考える」ことの大切さが分かり、なかなか勉強になります。 孤独の…

『かぜの科学』〜もっとも身近な病の生態〜

「風邪」はとても身近な病気であるにもかかわらず、解明されていないことも多く、いまだにワクチンや特効薬がありません。 それはなぜなのか、そもそも風邪とは何なのか、風邪を撃退することはできるのか、本当に効く療法は何なのでしょうか? かぜの科学:も…

マンガで分かる心療内科(アドラー心理学編)が面白い。

昨年のベストセラー「嫌われる勇気」で有名になった「アドラー心理学」が気になっている方に一押しのマンガ本です。 マンガで分かる心療内科 アドラー心理学編 (ヤングキング・コミックス) 作者: ゆうきゆう・原作,ソウ・作画 出版社/メーカー: 少年画報社 …

ガイ・P・ハリソン『Think 疑え!』

霊能者は本当に存在するのか? ホメオパシーなどの代替医療に効果はあるのか? アポロ宇宙船の月面着陸は捏造だという説を信じるか? 世の中にたくさんいる詐欺師や、誠実だけどトンデモない勘違いをしている人たちに翻弄されて、金銭詐欺にあったり、助かる…

ジャンポルスキー『ゆるすということ』が2冊

食卓の上に、妻が購入したと思われる『ゆるすということ』という本が置いてあるのを発見しました。 ずいぶん前に読んだ記憶があったので 本棚を探してみたら、やはり同じものを所有していました。 私が持っていたのが2006年11月第5刷(左)、妻が買ったのが2…

働き方について考えるときに参考になる10冊の本

今朝の新聞に、「脱時間給」制度などの 働き方改革に関する記事がありました。 ここ数十年、子供の頃から特別な志でもない限り、普通に高校・大学に進んで普通にサラリーマンになってしまうのが、日本での典型的なパターンでした。世の中には多様な働き方が…

童門冬二『高杉晋作』〜吉田松陰の志を継いだ稀代の風雲児〜

大河ドラマ「花燃ゆ」の頃の時代を知るために読んだ、My幕末読書シリーズ第1弾です。 高杉晋作を描いた本はたくさんありましたが、昔読んだ童門冬二の『上杉鷹山』が面白かったこと、2014年11月にPHP文庫版で出たばかりだったこと、一冊で読めること等から、…

外山滋比古『国語は好きですか』

高校時代、国語が嫌いでした。かなりの苦手科目で、共通一次(現在のセンター試験)受験の足手まといだったからです。それが理由で理系に進んだようなものです。 また、英語は比較的得意だったことや、「日本語はあいまいで特殊な言語」といった俗説もあり、…

『「ニセ医学」に騙されないために』〜危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!〜

「がんは治療するな」とか「酵素を摂取すると身体によい」といった本や記事をよく見かけます。私もそういった類の本を何冊か読んだことがありますが、いかにももっともらしく書かれているので、どこまで真実なのか分かりません。素直に読む人は、信じてしま…

『その女アレックス』を読みました。(ネタバレかも)

昨年末(12/29)のエントリーにも書いた、話題のミステリー『その女アレックス』(文春文庫)を読みました。 ピエール・ルメートル『その女アレックス』 - igawa's Blog あまりにも凄い評判なので、期待して読んだのですが、正直少し微妙です。 アレックスと…

重松清『流星ワゴン』が本日 TBS日曜劇場に登場

約1年前に読んだ重松清『流星ワゴン』がテレビドラマ化され、TBS「日曜劇場」として本日(1/18)から スタートします。 重松清「流星ワゴン」 - igawa's Blog初回はスペシャル拡大版で放送されるようです。新聞のテレビ欄の2時間分のスペースには、次のよう…

ダニエル・ピンク『フリーエージェント社会の到来』〜組織に雇われない新しい働き方〜

今年最初に読んだ本は、『フリーエージェント社会の到来』です。(1/6付のエントリーで取り上げた『「好き嫌い」と経営』は昨年末に読んだもの) フリーエージェント社会の到来 新装版---組織に雇われない新しい働き方 作者: ダニエル・ピンク,序文:玄田有史…

大人になるというのはどういうことなのか

Twitterを使った紅白歌合戦のリアルタイム採点でも有名な、芦田先生(@jai_an)のブログ記事を読みました。 BLOG「芦田の毎日」: 成人式を迎えるあなたへ ― 大人になるというのはどういうことなのか 芦田先生は、発達心理学の観点から、〝イノセント〟という…

楠木建『「好き嫌い」と経営』

『ストーリーとしての競争戦略』で有名な(読んだことありませんが)知る人ぞ知る楠木建さんの本です。 「好き嫌い」と経営 作者: 楠木建 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2014/06/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件)…