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池波正太郎『西郷隆盛』

My幕末読書シリーズ第2弾として、池波正太郎の『西郷隆盛』(角川文庫)を読みました。 

西郷隆盛 (角川文庫)

西郷隆盛 (角川文庫)

池波正太郎の小説を読むのは初めてでしたが、予備知識がなくても分かりやすく文章も読みやすく、他の作品も読んでみたいと思わせてくれます。

文庫で250ページたらずですから、西郷隆盛の生涯を知るには少し物足りませんが、幕末初心者の私にはちょうどいいボリュームでした。

第1弾で読んだ童門冬二の『高杉晋作』は、主人公にまつわるエピソードを通して高杉晋作の激動の人生に触れるという感じでしたが、本書は、西郷隆盛の人生を通して明治維新の歴史を知ることができるという感じです。勉強になりました。

 

物語の中にときどき作者の意見や感想がひょっこり顔を出すのも、読んでて悪くありません。一例をあげておきます。

坂本にしろ西郷にしろ、勝にしろ、尊王側・幕府側をふくめて、このような偉大壮麗な人物が動乱の時代をうごかして行くのを見ると……世は人を生むというが、つくづく〔歴史〕の不思議さ、面白さをおもわぬわけにはゆかない。
孝明天皇、将軍・家茂、井伊直弼その他、数え切れぬ人々の生と死は、まるて維新の歴史をドラマ化するために生まれてきたとしかおもえぬほどの影響を〔時代〕にあたえているのだ。

 

内村鑑三の名著『代表的日本人』にも採り上げられている西郷さん。どのように描かれているのか、再度読みたくなりました。

 

ではまた…

 

代表的日本人 (岩波文庫)

代表的日本人 (岩波文庫)


童門冬二『高杉晋作』〜吉田松陰の志を継いだ稀代の風雲児〜 - igawa's Blog