「二十四節気」と「七十二候」
前々回(中秋の名月)、前回(重陽の節句)に続いて、季節の話題です。
「二十四節気」と「七十二候」はご存知でしょうか?
日本には美しい四季があります。春・夏・秋・冬、折々の豊かな表情は日々の生活に彩りを与え、日本人は昔から季節感を大切にして暮らしの中に取り入れてきました。
二十四節気 とは
地球から見た太陽の通り道「黄道」の三百六十度を十五度ずつ二十四に区切り、そのひとつひとつに節気を配して四季の移り変わりを表したものです。ひとつの節気は十五日程度になります。昔の人は月の満ち欠けを基準にした太陰暦を使っていたため、太陽の位置と暦の日付の関係に次第にずれが生じました。そのため、二十四節気を使って生活に必要な季節感を補っていたと考えられています。
七十二候 とは
二十四節気のひとつひとつをさらに三区分し、季節の風物を言葉で表現したものが「七十二候」です。こちらはだいたい五日単位で、その季節の特徴的な自然現象を意味する名称がつけられています。
iPhoneアプリ「くらしのこよみ」では、旬の野菜や魚、年中行事など、七十二候にあわせて季節にちなんだ風物が届けられます。9/7〜11頃は七十二候でいうと「草露白」にあたりますが、秋らしい魚・野菜・果物が紹介されていますので、アプリから引用して紹介します。
旬のさかな「秋刀魚」
美味な上に栄養価も高く、「秋刀魚が出れば按摩引っ込む」といわれる秋の味覚の代表。(中略) 刺身も煮付けも干物もいいが、やはり塩焼きがいちばんで、焼きたてのじゅうじゅういっているところに醤油たらしてほおばれば、「目黒の秋刀魚」に大感激した殿様の気持ちがよくわかる。
旬のやさい「南瓜」
中南米原産で、戦国時代の終わりにポルトガル人によってもたらされた。寄港地のカンボジアで積み込まれたことから、それがなまって「かぼちゃ」と呼ばれるようになったといわれる。(中略) 国産の露地物は夏から秋にかけて収穫されるが、一、二か月ほど貯蔵した方が甘みが増し、秋が深まるにつれていっそう美味しく食べられる。
旬のくだもの「桃」
原産地の中国では果物の中でも特別な存在で、その木は邪気を払い、その実は不老長寿を授けるとされる。「西遊記」には天界で番人を務めていた孫悟空が長寿を与える仙桃を食べ尽くすというエピソードが出てくる。一方、日本での歴史も相当古く、縄文時代の終わりにはすでに食用にされていたらしい。(中略) 葉はあせもや虫刺されに効くとされ、昔は子どもの行水に桃の葉を入れた桃湯を使ったりもした。
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