igawa's Blog

おもに読書と本に関するブログですが、Mac/iPhone、数学、音楽の話題など例外の方が多いかもしれません。

『マンガでわかるゲーム理論』

ジュンク堂書店の入り口に平積みしてあって、面白そうだったので手にとってみました。

 ゲーム理論とは

「ゲーム」とは言っても、もちろん、パズドラとかの攻略法理論ではありません。

Wikipediaによれば、ゲーム理論とは「合理的な意思決定者間の紛争と協力の数理モデル」と書かれていますが、何のことか分かりませんね。

本書ではこのように説明されています。

競争相手の行動を考え、自分がいちばん得する方法を合理的に決めるもの

つまり、自分と同じように得をしたいと考える相手がいて、その相手の行動を予測しながら、自分が得する行動を考えようというものです。

確かに、私たちの社会は、個人や企業などが一定のルールを守りながら、それぞれの目的を達成すべく(時には協力し合う)ゲームだと言えます。

本書は、そんなゲーム理論の概要を紹介し、ゲーム理論を通してさまざまな戦略や思考方法を紹介したものです。

 

本書で紹介されている事例

ゲーム理論の内容は読んでいただくとして、どのような場面で適用できるのか、具体的な事例のごく一部を紹介します。

  • 合コンではライバルのことをほめた方がいいのか?
  • プロポーズはする方が得か?待つ方が得か?
  • いじめはなぜなくならないのか?
  • なぜ牛丼屋は値段を下げるのか?
  • 近所トラブルはなぜ悪化するのか?
  • マフィアはなぜ組織を裏切らないのか? などなど

それぞれの事例における最適な行動は、通常の感覚でわりと当たり前の結果なんですが、それがゲーム理論を通して考えると、きちんと説明できるのがビックリです。

 

感想

思っていたよりも、社会のありとあらゆるところで、ゲーム理論の考え方が応用できてしまうことに驚きました。

これに関する本は多数出版されているようですが、下記の点から本書はオススメですので、興味のある方はぜひどうぞ。

  • 新書サイズで半分はマンガですから、気軽に読めます
  • 日常生活での親しみやすい事例が使われていて、理論が納得できます
  • 入門者向けとはいえ、高度な領域までカバーしています


おまけ

ちなみに、1994年にノーベル経済学賞を受賞したジョン・ナッシュは、ゲーム理論を進歩・普及させた人物なのですが、その数奇な人生を描いたのがラッセル・クロウ主演の映画「ビューティフル・マインド」です。 

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