『マンガでわかるゲーム理論』
ジュンク堂書店の入り口に平積みしてあって、面白そうだったので手にとってみました。
マンガでわかるゲーム理論 なぜ上司は仕事をサボるのか? 近所トラブルはどうして悪化するのか? (サイエンス・アイ新書)
- 作者: ポーポー・ポロダクション
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2014/06/17
- メディア: 新書
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ゲーム理論とは
「ゲーム」とは言っても、もちろん、パズドラとかの攻略法理論ではありません。
Wikipediaによれば、ゲーム理論とは「合理的な意思決定者間の紛争と協力の数理モデル」と書かれていますが、何のことか分かりませんね。
本書ではこのように説明されています。
競争相手の行動を考え、自分がいちばん得する方法を合理的に決めるもの
つまり、自分と同じように得をしたいと考える相手がいて、その相手の行動を予測しながら、自分が得する行動を考えようというものです。
確かに、私たちの社会は、個人や企業などが一定のルールを守りながら、それぞれの目的を達成すべく(時には協力し合う)ゲームだと言えます。
本書は、そんなゲーム理論の概要を紹介し、ゲーム理論を通してさまざまな戦略や思考方法を紹介したものです。
本書で紹介されている事例
ゲーム理論の内容は読んでいただくとして、どのような場面で適用できるのか、具体的な事例のごく一部を紹介します。
- 合コンではライバルのことをほめた方がいいのか?
- プロポーズはする方が得か?待つ方が得か?
- いじめはなぜなくならないのか?
- なぜ牛丼屋は値段を下げるのか?
- 近所トラブルはなぜ悪化するのか?
- マフィアはなぜ組織を裏切らないのか? などなど
それぞれの事例における最適な行動は、通常の感覚でわりと当たり前の結果なんですが、それがゲーム理論を通して考えると、きちんと説明できるのがビックリです。
感想
思っていたよりも、社会のありとあらゆるところで、ゲーム理論の考え方が応用できてしまうことに驚きました。
これに関する本は多数出版されているようですが、下記の点から本書はオススメですので、興味のある方はぜひどうぞ。
- 新書サイズで半分はマンガですから、気軽に読めます
- 日常生活での親しみやすい事例が使われていて、理論が納得できます
- 入門者向けとはいえ、高度な領域までカバーしています
おまけ
ちなみに、1994年にノーベル経済学賞を受賞したジョン・ナッシュは、ゲーム理論を進歩・普及させた人物なのですが、その数奇な人生を描いたのがラッセル・クロウ主演の映画「ビューティフル・マインド」です。
ビューティフル・マインド: 天才数学者の絶望と奇跡 (新潮文庫)
- 作者: シルヴィアナサー,Sylvia Nasar,塩川優
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/10/28
- メディア: 文庫
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