igawa's Blog

おもに読書と本に関するブログですが、Mac/iPhone、数学、音楽の話題など例外の方が多いかもしれません。

集英社文庫編集部『短編工場』を読んで、短編小説に目覚めました。

これまで、短編小説というものを、無意識に長編より低く位置づけていたせいなのか、積極的に読みたいとは思いませんでした。

よく考えると、クラシック音楽に対しても同様のスタンスなので、聴くのはほぼ交響曲に限られていて、短い曲、小編成の曲、ピアノ曲などには、あまり興味がありません。(それではいけないと思ってはいるんですが…)

今回、たまたま持っていた集英社文庫『短編工場』を読んで、認識を改めました。今さらですが、短いのもなかなかいいですね。 

短編工場 (集英社文庫)

短編工場 (集英社文庫)

突然目覚めたわけではなく、きっかけは、実は過去のエントリーに少し伏線があります。

 

中島敦『山月記』と安部公房『公然の秘密』 - igawa's Blog

江戸川乱歩『二銭銅貨』 - igawa's Blog

 

むしろ短編の方が、無駄な贅肉がなく文章が研ぎすまされている(もちろん作家次第ですが)ので、短時間で内容の濃い物語を体験することができ、お得な気もします。

今までそれほど読んでないということは、美味しい作品が宝の山のようにあるということですから、探索する楽しみが増えました。

 

本書に収録されていた各小説の内容には触れませんが、個人的には桜木紫乃『かみさまの娘』と奥田英朗『ここが青山』がヒットしました。

短編を読んでいると、作者がひらめいた小さな一つの素材(アイデア)が物語の核心となっていることがよく分かります。それを面白い作品の形にすべく、丁寧に味付けしながらストーリーを組み立てていく作者の姿が何となく想像できるという、短いからこそできる別の楽しみ方にも気づきました。

 

最後に、収録されている作品名をあげておきます。

 

ではまた…