江戸川乱歩『二銭銅貨』
今年没後50周年を迎える江戸川乱歩のデビュー作『二銭銅貨』を読みました。
わずか34ページの短編です。
- 作者: 江戸川乱歩,千葉俊二
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/08/19
- メディア: 文庫
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大正時代に書かれた作品ですから、現代の本格ミステリーに慣れた人には物足りなさを感じるかもしれません。
しかしながら、江戸川乱歩のデビュー作であること、優れた暗号ものであること、2人の青年の心理が面白いことなど、評価が高いのもうなづけます。
かの松本清張は、この作品に対して次のように述べています。(Wikipediaより)
「発表された彼の処女作ともいうべき『二錢銅貨』は、『あの泥棒が羨ましい。二人のあいだにこんな言葉がかわされるほど、そのころは窮迫していた』という書き出しに始まる。私は初めて『二錢銅貨』を読んだとき、この書き出しの素晴らしさに惹かれたものだった。この一行の文章の中に、これから起る事件を読者に予想させ、しかも、端的に現在の状況を説明している。小説の冒頭の巧みさは、このようなものでなければならない。よく引例される志賀直哉の短篇の冒頭にも匹敵するであろう」
なかなか新鮮な推理小説でした。
ではまた…