オックスフォード白熱教室「第1回 素数の音楽を聴け」
12月5日(金)から始まった、NHK「オックスフォード白熱教室」を観ました。昨年10月に放映された4回シリーズの再放送です。
先生は、幅広い数学啓蒙活動が認められ「大英帝国勲章」を受賞(2010)している、オックスフォード大学数学研究所のマーカス・デュ・ソートイ教授です。
第一回のテーマは「素数」。
数学の世界の最も基本的な単位であり、“数の原子”ともいわれる「素数」。基本単位でありながら、素数はなぜてんでんばらばらに並んでいるのか?その並びには、意味はあるのか?
数々の数学者が挑んでは敗れたこの謎に迫るのが、数学史上最大の難問「リーマン予想」だ。デュ・ソートイ教授が素数の世界を音楽にたとえて、その不思議の国へ誘う。
2,3,5,7,11,13,17,19,23,29, ……と無限に存在する、1とその数自身でしか割り切れない「素数」。ある自然数Nが素数かどうかを判定する公式は現時点では存在しません。数学史上最大の難問と言われている「リーマン予想」とは、乱暴に言ってしまえば、素数を判定する公式に関する予想です。
実は、オンラインショッピング(暗号通信)が安心してできるのも、素因数分解が非常に難しい(とてつもなく時間がかかる)ことに依存しています。
ですので、数の基本単位である「素数」の正体を解明するという意味でも、ネット社会を支えている「暗号技術」に影響があるという意味でも、「リーマン予想」が解決できるかどうかは、注目の話題です。
番組の内容をうまいこと説明できませんが、素数の公式を導く無限の足し算が、楽器の音が振動数の異なる波が重なり合ってできていることに類似していることから、素数と音楽を結びつけているということだけは分かりました。
あと3回は「対称性」、「数学と芸術」、「知の限界」がテーマです。テレビなら受け身で気楽に観れますから、たまにはこういう知的興奮を味わってみてはいかがでしょうか?
ついでに、本の紹介もしておきます。
数学関係の一般書で断トツのベストセラーに、サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」(新潮文庫)がありますが、今回の白熱教室の内容が深く楽しめるマーカス・デュ・ソートイ先生の「素数の音楽」もまた面白いです。
ではまた…
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【2014.12.27追記】
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