驚愕の数式:1+2+3+4+5+6+ … … … = -1/12
1,2,3,4,5,……と続く自然数を足していくと、その和はどんどん大きくなっていきます。ところが、無限に足していくとその和は無限大ではなく有限の値、しかも中途半端な負の数(-1/12)だというんです。普通の頭ではわけ分かりません。
(もちろん、トンデモ論などではなく数学上の偉大な成果です。Wikipediaにも掲載されています。 1+2+3+4+… - Wikipedia)
本エントリーでは、その簡潔な証明を示しますが、そんなに難しくありませんし、不思議な世界が体験できますので、ぜひ数式を追ってみてください。
(「+ … … …」の扱いに慣れれば中学一年生レベルです。)
準備として、S, S1, S2 を 次のように定義しておきます。
S = 1+2+3+4+5+6+ … … …
S1 = 1-1+1-1+1-1+ … … …
S2 = 1-2+3-4+5-6+ … … …
まず、S1 について
S1
= 1-1+1-1+1-1+ … … …
= 1- ( 1-1+1-1+1-1+ … … … )
= 1-S1
したがって 2S1 = 1 となりますので、S1 = 1/2 です。
S1の第2項以降をマイナスでひとくくりにすると、またS1が登場するのが無限の面白いところです。何かだまされたような気がしますが、式にあやしいところはありません。
次に、S2 について
S2 + S2
= ( 1-2+3-4+5-6+ … … … )
+ ( 1-2+3-4+5-6+ … … … )
= 1+(-2+1)+(+3-2)+(-4+3)+(+5-4)+(-6+5)+ … … …
【↑ひとつずらしてペアにする】
= 1-1+1-1+1-1+ … … …
【↑これはS1のこと】
= 1/2
したがって 2S2=1/2 となりますので、S2=1/4 です。
最後に、S について
ここで、S-S2 を計算してみます。
S - S2
= ( 1+2+3+4+5+6+ … … … )
- ( 1-2+3-4+5-6+ … … … )
= 4 + 8 + 12 + … … …
= 4 × ( 1+2+3+4+5+6+ … … … )
= 4S
S2=1/4 でしたので、S-1/4 = 4S。
これを解いて、
S = -1/12 !!!
すなわち、1+2+3+4+5+6+ … … … = -1/12 となり、証明終わりです。
まとめ
どこかにトリックがあるような気もしますが、これは手品でもイカサマでもなく、数学的に意味のある式で、量子論など物理学でもこの結果が利用されているそうです。
この式は、数学における最も重要な未解決問題の一つで100万ドルの懸賞金がかかっている「リーマン予想」にも関係しているので、いつかニュース等で紹介されるかもしれません。
実は、下記のYouTube動画を参考に書きました。
音声は英語なので何と言っているか分かりませんけど、ものすごく分かりやすい映像で上の証明を鑑賞できます。
ASTOUNDING: 1 + 2 + 3 + 4 + 5 + ... = -1/12 - YouTube
ではまた…