初めて被告になった件、これから増えそうな事例なので参考までに。
昨年、裁判の被告になり判決を言い渡される、という初体験をしました。といっても、郵便物が2回届いただけですが。
両親が他界している場合は起こりうる裁判ですから、どなたかの参考になるかと思いますので、経緯を残しておくことにします。
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平成26年8月上旬、「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」という書類が届きました。「被告 ◯◯様」という表現がちょっと嫌ですね。
10月9日までに「答弁書」を提出せよ、10月16日の口頭弁論期日に出頭せよ、という内容です。訴状と添付書類(約2cmの厚さ)が同封されていました。
これが、訴状の1ページ目。
2ページ目以降に、訴訟の趣旨、原因、物件目録、被告目録が書かれていました。要は、土地の相続(所有権移転)に関する民事裁判です。
添付書類はこんな感じ。
この厚さに、ちょっとビビります。
しかし実は、7月下旬に原告訴訟代理人の弁護士さんから事前に手紙が届いていました。
「応訴せずにいれば、判決がなされ、◯◯◯◯氏はその判決に基づいて貴殿の手を借りなくても登記手続を完了できます。この場合、訴訟費用を貴殿に請求致しません。ですから、このまま放置しておかれても御迷惑をおかけすることはありません。」
と書かれていますので、安心はしていました。とはいえ、実際に訴状が届いてみると、ほんとに放置していいのだろうかと心配になります。同じ書類が届いている妹とも相談して、無視することにしました。
次のように書かれています。
「主文 1 被告らは、原告に対し、別紙物件目録記載の土地について昭和52年3月11日付時効取得を原因とする所有権移転登記手続をせよ。
2 訴訟費用は被告らの負担とする。」
「所有権移転登記手続をせよ」とか「訴訟費用は被告らの負担」とか書いてあるので、大丈夫だと分かっていてもビビります。しかし、何もしなくていいし訴訟費用が請求されることもないと、弁護士さんからの手紙に書いてあったとおり、現時点まで数か月何もないのでホントに大丈夫だったようです。
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以上のとおりなんですが、これだけでは何が起こっていたのか分からないでしょうから、少し補足しておきます。
本件は、私の祖父(昭和20年に戦死)の兄が、既に他界していた父親(私から見たら曾祖父)の名義のまま所有権移転手続をせず、ある土地を原告Aさんに売り渡していた(昭和52年)ことから、今回Aさんが登記を実現するために裁判に及んだものです。私はそのAさんの名前も土地の所在も全く知りませんので、関わりたくもない話ですが、相続手続がされていないので、曽祖父からの相続権を有している私を含む16人が被告になってしまいました。
うちの事情を排除してシンプルに言うと、自分のおじさん(おばさん)の資産が、実はその親からおじさん(おばさん)に遺産相続されないまま第三者に貸したりしていて、かつ自分の両親が他界していた場合に、所有権移転の訴訟が起こされる可能性があることになります。
今回の場合は、訴状が届いても何もしなくていいパターンでした。似たような状況であれば心配しなくてもよさそうです。
蛇足なミニ知識
- 民事裁判の場合、訴えるのは「原告」、訴えられるのは「被告」
- 刑事裁判の場合、訴えるのは「検察(国)」、訴えられるのは「被告人」
ではまた…