igawa's Blog

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NHK Eテレ「らららクラシック」 〜なぜ「家路」のメロディには郷愁を感じるのか?〜

「家路」とは、閉店や下校の音楽としても名高いあの「遠き山に日は落ちて〜」という歌詞で有名な曲なので、皆さんご存知だと思います。

正確には、ドヴォルザーク作曲交響曲第9番ホ短調「新世界から」第2楽章のことです。

このメロディには、確かにノスタルジーというか望郷の思いのようなものを感じます。

 

http://www.flickr.com/photos/39082489@N00/197663118

photo by SimplySchmoopie

 

8/16(土)21:30放送のNHK  Eテレ「らららクラシック」では、「新世界から」の第2楽章でなぜ郷愁を感じるのか、その謎について説明されていました。

 

結論から言うと、「ファ」と「シ」の音を使わないと郷愁を感じる音楽になるんだそうです。

「とーおきーやーまにー、ひーはおーちてー」の場合は「ミーソソーミーレドー、レーミソーミレー」というふうに、確かに「ファ」と「シ」を使いません。

他にも、「赤とんぼ」、「蛍の光」、「アメイジング・グレイス」など世界中の音楽で、郷愁を感じさせるメロディでは「ファ」と「シ」の音が使われていないとのことでした。

蛇足ですが、「ファ」は4番目の音、「シ」は7番目の音であることから、ファとシを使わないことを「ヨナ抜き音階」というそうです。キム・ヨナが嫌いでない私は「ヨナ抜き」という言葉はあまり好きな表現ではありません。(そんなことどうでもいいですね)

 

話は、続きます。

 

この番組「らららクラシック」では、「なぜ郷愁を感じるのか?」という問いに対して、「その謎を教えてあげる」みたいに偉そうなことを言っていましたが、上の説明で納得しましたでしょうか?

 

番組で説明があった内容では、「ファとシを使わないこと」は「郷愁を感じること」の必要条件でしかなく、十分条件ではありません。 

【解説】
「郷愁を感じる」ならば「ファとシを使わない」は成り立つけど、
「ファとシを使わない」ならば「郷愁を感じる」は必ずしも成り立たない。
 

つまり、ファとシを使わなければ、必ずしも郷愁を感じる音楽になるわけではなく、例えばですけど、ファとシを使っていないAKB48の「フライングゲット」もあり得るということです。(単なる例なので、ファかシを使っているとは思いますが)

 

要は、なぜ「ファ」と「シ」を使わないと郷愁を感じるのか、という説明がないと、謎を解明したことにはならないのですが、まあ番組的には、あれで十分だったと思います。私のようなひねくれ者だけがモヤモヤを感じるだけなので、大きな問題ではないでしょう。

 

ドヴォルザ-ク:交響曲第8番&第9番「新世界より」

ドヴォルザ-ク:交響曲第8番&第9番「新世界より」

 

私が18歳のとき初めて買ったクラシック音楽のCDがカラヤンウィーン・フィルの「新世界より」です。カップリングは「8番」ではなくて「モルダウ」でした。 

 

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