NHK Eテレ「らららクラシック」 〜なぜ「家路」のメロディには郷愁を感じるのか?〜
「家路」とは、閉店や下校の音楽としても名高いあの「遠き山に日は落ちて〜」という歌詞で有名な曲なので、皆さんご存知だと思います。
正確には、ドヴォルザーク作曲交響曲第9番ホ短調「新世界から」第2楽章のことです。
このメロディには、確かにノスタルジーというか望郷の思いのようなものを感じます。
8/16(土)21:30放送のNHK Eテレ「らららクラシック」では、「新世界から」の第2楽章でなぜ郷愁を感じるのか、その謎について説明されていました。
結論から言うと、「ファ」と「シ」の音を使わないと郷愁を感じる音楽になるんだそうです。
「とーおきーやーまにー、ひーはおーちてー」の場合は「ミーソソーミーレドー、レーミソーミレー」というふうに、確かに「ファ」と「シ」を使いません。
他にも、「赤とんぼ」、「蛍の光」、「アメイジング・グレイス」など世界中の音楽で、郷愁を感じさせるメロディでは「ファ」と「シ」の音が使われていないとのことでした。
蛇足ですが、「ファ」は4番目の音、「シ」は7番目の音であることから、ファとシを使わないことを「ヨナ抜き音階」というそうです。キム・ヨナが嫌いでない私は「ヨナ抜き」という言葉はあまり好きな表現ではありません。(そんなことどうでもいいですね)
話は、続きます。
この番組「らららクラシック」では、「なぜ郷愁を感じるのか?」という問いに対して、「その謎を教えてあげる」みたいに偉そうなことを言っていましたが、上の説明で納得しましたでしょうか?
番組で説明があった内容では、「ファとシを使わないこと」は「郷愁を感じること」の必要条件でしかなく、十分条件ではありません。
【解説】
「郷愁を感じる」ならば「ファとシを使わない」は成り立つけど、
「ファとシを使わない」ならば「郷愁を感じる」は必ずしも成り立たない。
つまり、ファとシを使わなければ、必ずしも郷愁を感じる音楽になるわけではなく、例えばですけど、ファとシを使っていないAKB48の「フライングゲット」もあり得るということです。(単なる例なので、ファかシを使っているとは思いますが)
要は、なぜ「ファ」と「シ」を使わないと郷愁を感じるのか、という説明がないと、謎を解明したことにはならないのですが、まあ番組的には、あれで十分だったと思います。私のようなひねくれ者だけがモヤモヤを感じるだけなので、大きな問題ではないでしょう。
- アーティスト: カラヤン(ヘルベルト・フォン),ドヴォルザーク,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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私が18歳のとき初めて買ったクラシック音楽のCDがカラヤン/ウィーン・フィルの「新世界より」です。カップリングは「8番」ではなくて「モルダウ」でした。
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