大河ドラマの原作、新田次郎「武田信玄」(文春文庫)
私が初めて観たNHK大河ドラマは、 1988年の「武田信玄」。
2010年に「龍馬伝」を観るまで、私が観た唯一の大河ドラマでした。
(そういえば、この二作はいずれも登場人物の役者がナレーションを兼ねてます。信玄の母役の若尾文子と龍馬の幼なじみ岩崎弥太郎役の香川照之)
ずーっと前から原作の小説を読もうと思っていたのですが、四半世紀も過ぎて、原作である新田次郎の「武田信玄」(文春文庫)を今年の初めに読み始めて、全4巻をようやく読み終えました。
大河ドラマの出演者
大河ドラマを観てからずいぶん時間がたっていますが、一度映像を見ている影響で、いいのか悪いのか、本を読みながらも登場人物には俳優・女優の顔が浮かんできます。
特に、主演の中井貴一、側室の南野陽子、父・信虎の平幹二朗のほか、今川義元(中村勘九郎)、山本勘助(西田敏行)は、ドラマのイメージのまま読んでいました。
読みながらときどき思い出した出演者としては、杉良太郎(北条氏康)、柴田恭平(上杉謙信)、石橋凌(織田信長)、菅原文太(家臣の板垣信方)、橋爪功(家臣の真田幸隆)。けっこう豪華メンバーでした。
原作との違い
あれから25年以上過ぎましたが、大河ドラマでの設定と明らかに違うと分かったことが一つだけあります。
ドラマでは、正室の侍女(小川真由美)が超悪役だったのですが、そのキャラクターは原作には存在せず、正室(三条の方)が悪役になっていました。原作に忠実なら、三条の方の配役は紺野美佐子ではなかったことでしょう。悪役というのは、簡単に言うと側室南野陽子のイジメ役。小川真由美がハマっていました。
感動したベートーヴェンの葬送行進曲
ところで、この大河ドラマで一番震えたのは、信玄が亡くなった時(確か密葬のシーン)に流れていたベートーヴェン交響曲第3番「英雄」(第2楽章)。この場面ほど、テレビを観ながらストーリーと音楽の感動で身体が震えたことはありません。
このシンフォニーが世界のあらゆる曲の中で一番好きなんですけど、その理由の一つがこの場面での感動です。もっとも、曲全体としての聴きどころは、第1楽章と第4楽章なんですが。
交響曲第3番『英雄』(ベートーヴェン) 第二楽章より - YouTube
おわりに
それから、どうでもいいことですが、各回最後の若尾文子のナレーション「今宵はここまでにいたしとうござりまする」は流行語になりました。
小説を読んだ感想をと思って書き始めましたが、昔の大河ドラマの思い出話になってしまいました。小説の件は、またの機会に記事にしたいと思います。
【7.22追記】
新田次郎『武田信玄』(文春文庫、風の巻〜山の巻) - igawa's Blog