武光誠「日本人なら知っておきたい神道」
節分やひな祭りなどの年中行事や冠婚葬祭、地域の祭りなど、私たちの生活のいろいろな場面で 神 すなわち「神道」が関わっています。
しかし、これまで「神道」というものを教えてもらった記憶もなく、自ら勉強しようとしたこともなく、日本のしきたりみたいなものとして何となく理解しているだけで、「神道とはどんな宗教なのか」と質問されても、私は明確に答えることができませんでした。
以前「神さまがやどる掃除の本」を読んだのがきっかけで買っていた「日本人なら知っておきたい神道」をようやく読みました。
プロローグ "神道"を知らずして日本と日本人は見えてこない
1章 "神の国"はいかに誕生し、根づいてきたか
2章 日本人の中に生きる"八百万の神"の系譜
3章 様々な宗教を受け入れる神道の懐の深さ
4章 朝廷成立、尊王攘夷…神道が果たした役割とは
5章 建物、神職、穢れと祓い…神が降りる地の神秘
6章 祭祀と参拝に込められた知られざる意味とは
7章 死とは何か?生とは何か?神道の行事が教えるもの
本書をひととおり読んで、
などなど、初歩的なことすら全く知らなかったことを思い知らされましたが、これで子供に聞かれても少しはまともに答えられそうです。
年中行事だけではなく、日常生活での考え方や行動も、実は神道と深く関わっているんだと分かって、読んだ甲斐がありました。
大和朝廷の話や神話の解釈など、日本史(古代)における著者の解釈が正しいのかどうかは他の本も読んでみないと分かりませんが、初心者の私には十分な内容だったと思います。
最後に、あとがきの一部を引用します。
神道とは何かを理解することを通じて、著者はこのメッセージを伝えたかったのでしょう。
なぜ、そのような神道が、文明が発達し、科学万能の時代になっても受け継がれてきたのだろうか。それは、「神様がいる」とまではいわなくとも、これまで多くの人たちが「神をまつり、自然を大切にして、人間どうしが信頼しあって助け合う世界がのぞましい」と考えたことによるものではあるまいか。
私たち日本人が、この気持ちをもちつづけ、「日本人らしさ」を大切にしつづけるかぎり、日本はしだいによい方向に向かっていくのではあるまいか。
下記は、本書を読むきっかけになったお掃除の本です。