リチャード・テンプラー「上手な愛し方」
昨日のエントリーで紹介したエーリッヒ・フロムの「愛するということ」に続いて、またまた愛に関する本です。こちらは、装丁といい、タイトルといい、レジに持っていくには恥ずかしい感じがします。いつ頃なぜ買ったのか忘れましたが、Amazonで買ったのは間違いありません。
- 作者: リチャード・テンプラー,亀田佐知子
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2011/02/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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人類愛のようなハイレベルの議論が展開される「愛するということ」に比べ、この本は、かなり実用的です。
これからご紹介する88のルールは、上手に愛し愛されるために、一生役立つものだ。気持ちの持ち方や考え方についてのルールもあれば、具体的な行動についてのルールもある。すぐに実行できる簡単なものもあれば、取り入れるのに抵抗を感じたり、実行するのがむずかしいものもあるだろう。(「はじめに」より)
全部で88のルールがそれぞれ見開き1ページに解説されていて読みやすくなってます。
1章 ほんとうの愛を見つけるための19のルール
2章 愛を育てるための48のルール
3章 別れのための5つのルール
4章 友情についての12のルール
5章 すべての愛のための4つのルール
88個のなかで、マイベスト4を紹介します。
ルール32 自分から先にあやまる
そのつもりはなかったのに、いつのまにか相手とけんかになってしまったら・・・、その答えはシンプルです。相手よりも先に自分から「ごめん」とあやまること。
では、何をあやまるのでしょうか? 本当は自分が正しいと思っているのに「ごめん」と言うのは偽善的でしょうか?
自分の意見や行動についてあやまるわけではありません。“お互いの意見の違いについての議論をけんかに変えてしまったこと”をあやまるのです。なるほど、そういう対応の仕方があったんですね。これは使えます。
けんかを成立させてしまうほど自分が子どもじみていたことを謝罪するわけです。いつも自分が正しいことを証明しようとしていた自分に反省。
ルール33 パートナーの問題はあなたの問題
妻が問題を訴えているのに、「自分には関係ない」という態度をとることがよくありました。これは、とんでもないことですね。パートナーが困っていたら、真剣に受け止めてあげなければいけません。
ただし、何でもパートナーの言うとおりにする必要はありません。二人が共有する問題を正しい方法で解決へと導けばいいんです。
その正しい方法とは・・・、なぜそれが問題なのか、その問題を解決し新たな問題に悩まされないためにはどうすればいいか、を話し合うこと。もともと会話が少ないとまずいですね。
ルール46 子どもよりもパートナーを大切にする
このルールは「子どもよりもパートナーのために時間を使う」ということではありません。特に子どもが小さいあいだは、子どものために家庭の時間をのほとんどを使ってしまいます。しかし、そういう時期においても、パートナーを第一に考えるのが重要だということです。
子どもよりもパートナーを大事にすれば、いずれ子どもたちも、親よりも自分のパートナーを優先するようになります。でも実は、それでいいんです。
なぜなら、自分の両親が、お互いのことより子どもを大切にしていると思ったら、子どもは家を離れて自立する自信とエネルギーを見つけられなくなってしまいます。
ルール88 自分の外側の世界に目を向ける
このルールを本能的に分かっている人は数少ないかもしれない、と著者は言っています。タイトルだけでは分かりにくいのですが、このルールが言いたいのは、
だれかほかの人のことを心配しているほうが、自分のことばかり気に病んでいるよりも、自分の問題に対処するのがずっとかんたんになるのだ。
ということです。
特に苦しいときは、自分のことばかり考えてしまうと思いますが、それで得るものはなく、自分の内側を見つめることを止めなければいけないとのこと。どんなときでも、自分よりも他人を優先して考えることで、人生から最高に多くのものを得ることができるという真理を理解すべきということですが、難しそうですね。
この最終ルールを人生の絶対的な道しるべとして胸に刻んでほしい。
という言葉で、この本は締めくくられています。頑張ります。
- 作者: エーリッヒ・フロム,Erich Fromm,鈴木晶
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 1991/03/25
- メディア: 単行本
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