「よみうり堂」の書評から選んだ『美貌格差』
憲法記念日の今日は、よみうり新聞の書評から一冊紹介します。
ダニエル・ハマーメッシュ『美貌格差』(評:東京大教授・経済学者 松井彰彦)
- 作者: ダニエル・S.ハマーメッシュ,Daniel S. Hamermesh,望月衛
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/02/27
- メディア: 単行本
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衝撃的なタイトルではありますが、本書は真面目に「美形のお得度」を測った研究をまとめたものです。
容姿というものは、かなり主観的なものですよね。これをいったいどうやって客観的な分析につなげているのか疑問ですが、著者によれば、容姿の指標は意外に個人差が少ないのだそうです。つまり、客観的な指標は作れなくても、みんなの意見・主観が客観的なデータになるということです。
美形はお得といった当たり前の結果だけでは面白くないのですが、米国での調査によると、容姿については女性よりも男性の方が収入に大きな影響を及ぼすという意外な事実が 浮かんできたそうです。容姿が平均的な働き手と比較して、容姿が優れた男性は収入が4%多く、劣る男性は13%少なかったとのこと。本当でしょうか。読んでみて、おかしな部分を探してみたくなりました。
もちろん、この結果だけを鵜呑みにするのは危険だ。著者は一流の労働経済学者だけ有って、その辺りにもきちんと目配りをしている。単なるセンセーションを巻き起こしたいだけの本とは異なる、経済学分析の拡がりと緻密さが伝わってくる一冊だ。
さて、「ブサイクなあなたに何ができる?」のか。答えは本書を見てのお楽しみである。
偶然ですが、今日たまたま放送されていたお昼の番組(何の番組か分かりませんが上沼恵美子が出てました)でも、「アメリカの調査で、美人は生涯で2500万円得をする!?」と言っていました。(この本からの引用かもしれません)
ではまた…