igawa's Blog

おもに読書と本に関するブログですが、Mac/iPhone、数学、音楽の話題など例外の方が多いかもしれません。

日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則

以前読んだアービンジャー・インスティテュートの「自分の小さな『箱』から脱出する方法」は自分にとってあまりにも衝撃的でした。私が人間関係に関わる本を読んだなかでは、間違いなくベスト3に入ります。

その「箱」理論に関する新刊が出たと聞いて、さっそく「日常の小さなイライラから解放される『箱』の法則」を読みました。 

日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する

日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する

 

やっぱり、ときどき読み返さないといけませんね。「箱」に関する基本的なことは分かっていたつもりですが、今回の新刊を読んで、あらためて日常生活で十分に活用できていなかったことに気づきました。

「箱」理論のポイントを忘れないように、自分用にメモしておきます。

心の持ち方には2つある

ほめる、あやまる、感謝する、手伝う、というような気持ちを表す行動の一連の動作というのは、心の持ち方で全然違ったものになる。

心の持ち方には、大きく分けて2つあります。
一つは、人を人として見る【思いやりの心】。相手は、自分と同じく何かをしてほしいと思うし、不安や恐怖も感じるし、喜びも悲しみもある人間、として見ること。
もう一つは、人をモノとしてみる【抵抗心】。例えば、相手を「邪魔なモノ」「便利な道具」「無関係な存在」として見ること。
相手をモノとして見ると、相手や相手のしていることは、自分や自分がしていることほどの価値はなく意味もないと思う、つまり相手の存在価値を否定してしまうことになる。

人と接するときに、まず「自分はこの人を、普段どういうふうに見ているのか」ということを意識してみるのが第一歩。

自分を裏切るとどうなるか?

家に帰ったら、洗濯物を干したまま妻は外出している。乾いているから自分が取り込んでおけば、妻が楽だろうと思ったけど、それをしなかった。他人に対して、心の中ではやるべきだと思ったことに背く行動をしてしまった状態のことを「自己裏切り」といいます。

この場合、洗濯物を取り込まないということを選ぶ「自己裏切り」をしてしまうと、相手(妻)のことを「だらしない」「悪い妻」とみなしてしまう。そうすると、自分自身について「疲れている」「忙しい」「そもそも自分の仕事じゃない」と考え、「自己正当化」が起こる。
この相手を非難し、自分を正当化している状態を、「箱に入っている」といいます。正当化する感情が自分を支配してしまい、箱の中で正当化することがグルグル回って、抜け出せなくなってしまう。

箱から出るための4つのステップ

  1. 箱の中にいることに気づく
    箱の中にいるときは何をやってもうまくいかない。ひょっとして箱に入っているかもしれない。と気づくことが大事。
  2. 箱の外の世界を探す
    「箱の外にいるなあ」って感じられるのは、どんな相手か、どんな環境か考える。
    例えば、いい影響を与えてくれた人、心落ち着ける環境。
  3. 新たに状況を考えなおす
    自分が箱に入って接していると思う人に、次のことをする。
    ①その人が経験しているだろうと思われる障害、重荷、苦痛を考えてみる
    ②自分が加えたと思われる障害、重荷、苦痛を書き出す
    ③大きい小さいにかかわらず、その人を不正に扱ったり、見下してみたことはないか
    ④これらのことを踏まえて、その人に自分がすべきことは何か
    (④は10年後とかの長期プランじゃなくて、いますぐにでもできる簡単なこと)
  4. 感じたことをする

おわりに

本書は、第一作「自分の小さな『箱』から脱出する方法」と基本的に同じ内容です。今回は日本を舞台にして、会社員の主人公リョウが、職場での上司・部下や家庭での奥さん・父親とのイライラを解消し、関係を改善していくというストーリーになっています。

第一作があれば本書はいらないという説もありますが、同じ内容であっても、いろんな事例を読むことで多面的に考えることができるので、私は「箱」について理解が深まりました。初めての方にとってはこちらの方が分かりやすく、第一作を読んだことのある方にとっては効率的に復習ができます。

イライラから解放されたい人だけではなく、あらゆる人におすすめです。

 

アービンジャー・インスティテュートの著作 

衝撃を受けた第一作。バイブル。

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 156人 クリック: 3,495回
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これは、二作目です。

2日で人生が変わる「箱」の法則

2日で人生が変わる「箱」の法則

 

実践編もあります。 

実践 自分の小さな「箱」から脱出する方法

実践 自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャー・インスティチュート・ジャパン監修
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2008/02/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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