西内啓「統計学が最強の学問である」
学生時代の専門分野に近いということもあって、ベストセラー「統計学が最強の学問である」を読みました。
- 作者: 西内啓
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/01/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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いつも利用するジュンク堂書店では入口で山積みされているし、Facebook友達も数人が読んだと言ってるし、Amazonレビューは今日時点で165件もあるし、気になっておりました。
はてなでも、Google検索上位に入るブログ書評があります。
なぜこんなに売れているんだろうと疑問に思いながら読みました。私の感想は3つ。
- 「統計は最強の武器である」がタイトルにふさわしい
- この本を読んでも統計リテラシーは高くならない
- どうせ読むならいい本がある
「統計は最強の武器である」がタイトルにふさわしい
「統計学が最強の学問である」だと、統計学が「一番偉い」と主張しているようにもみえますが、著者が主張しているのは、
ということであり、これからの時代において「統計はあらゆる分野で役に立つ武器になりますよ」と言っているに過ぎません。専攻が近い私としては、統計学を持ち上げたいところですが、残念ながら「最強の学問」というのはちょっと言い過ぎです。
この本を読んでも統計リテラシーは高くならない
確かに、あみだくじの必勝法とか、直前の予選大会で素晴らしい記録を出した選手がオリンピックの本番でなぜ残念な結果に終わるのか、など面白い話や役に立つ話はあるにはあります。
しかし、この本を読んだだけでは「統計学的な知識が重要なんだ」ということが分かるだけで、統計リテラシーが高くなる訳ではありません。まあ統計学に興味をもつきっかけにはなるでしょう。
統計学を武器として使えるようになるには、それなりの勉強(回帰分析とかカイ二乗検定とか)が必要です。ただ、そこまでやる人はほとんどいないでしょうね。
どうせ読むならいい本がある
この本は、読んで損をする訳ではありませんが、さすがに300ページを超えるボリュームですので、コストパフォーマンスは高くはないです。
そこで、似たような分野での3冊をおすすめします。
「統計でだまされない」ために、「統計でだます方法」を知る本
統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 (ブルーバックス)
- 作者: ダレル・ハフ,高木秀玄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1968/07/24
- メディア: 新書
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確率論に基づいた、ギャンブルにおける<ツキの正体>を知る本
人は合理的に行動するものではない、という「行動経済学」の本
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダンアリエリー,Dan Ariely,熊谷淳子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/08/23
- メディア: 文庫
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