人間の記憶は相当いいかげん。
フランツ・カフカの小説『変身』を読みました。
- 作者: フランツ・カフカ,Franz Kafka,高橋義孝
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1952/07/28
- メディア: 文庫
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書評や感想は多くの方が書かれていると思うので、さて何を書こうかと思いながら、以前このブログで何か触れてなかったかなと思って過去記事を調べてみました。
去年の7月18日付けのエントリーで、カフカの『失踪者』を紹介しているのを見つけたんですが、最後にひとこと書いているコメントがこれです。
『変身』も再読したい。
自分でも驚きました。実は今回、本書を読むにあたって、購入のときから今しがたまで『変身』を読んだことがあるという意識はまったくありません。
しかし、約1年前にブログを書いたときには、明確に一度読んだことがあると認識しています。
どういうことなのでしょうか?
可能性としては、
- 1年前の記憶は、何か別の本を読んだのと混同していた。
- 1年前までは読んだ記憶があったのに、今は完全になくなった。
のどちらかだと思いますが、どっちにしても記憶ってひどくいいかげんだなと思った次第です。
記憶がいいかげんということよりも、わずか1年で認識が変わっていることの方がショックでした。
最後に…
本書の内容にまったく触れていないので、有名な書き出しの一文を紹介して終わることとします。
ある朝、グレーゴル・ザムザがなにか気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な虫に変っているのを発見した。(訳:高橋義孝)
ではまた…