攻めの仕事か、守りの仕事か
今日 会議の場で、「この業務は、資料を作っているのか、意識改革をやっているのか」という議論がありました。
つまり、誰かのチェックを受けるための資料作りが目的なのか、問題解決や意識改革など何かを変えることが目的なのかを明確にせず混同して仕事を進めると、絶対にうまくいかないという話です。
前者は、とにかく不備がないようにきちんとした書類を作成することが大事で、後者は、資料作りはどうでもよく、何ができれば現実的に最も効果が上がるのかを考えることが大事です。
私は、8年ぐらい前「ITに関する内部統制の整備」を担当していました。
いま思えば、この仕事はどちらかというと資料作りであって、ちゃんとやってますよということを書類上で証明することが目的です。
もちろん、業務上まずい点があればきちんと改善する必要がありますが、それはあくまでもメインではありません。
当時、IT業界は「内部統制対応を機会に、情報システム部門は業務改革を行うべき」という雰囲気に覆われていました。
そのため、本来の目的ではない部分に相当な労力を使っていたような気がします。ITベンダーの陰謀にはめられていたのかもしれません。
業務改革にとらわれず、もっとシンプルに考えて書類作りに専念すれば、私も長時間労働などせず、周りに無理なお願いもする必要がなかったかと気がつきました。実際には、それほど業務改善・改革を行ったわけではありませんが、書類作りだと割り切っていれば精神衛生上ずいぶん楽だったでしょう。
このことを冷静に考えると、二つのタイプの仕事は「攻めの仕事か、守りの仕事か」と区分できそうです。
官庁対応、監査対応、ルーチン業務などは、一般的に守りの仕事だと言えます。一方、他の業務の多くは問題解決であり、改善・改革的な攻めの仕事だと思います。
守りの仕事の場合は、色気を出して「攻めの仕事」的なことに手を染めないことが肝心だと思います。
ただ、ものごとは完全に「1か0か」ではなく、両方の要素がありますから、極端にならないように気をつける必要もあるでしょう。
また、仕事に対するその辺のスタンスについて、上司の了解(又は感触)を得ておかないと大変なことになりますね。