再読したいミステリー10冊
昨日(4/10)の記事で「百舌の叫ぶ夜」について書きましたが、ここ数年あまり読んでいなかったミステリーをものすごく読みたくなってしまいました。
今年は再読の年にしたいと思っているので、ミステリーについても再読したいものを本棚から10冊選んできました。必ずしもマイベストというわけではありませんが、読みたいものを選んでいます。作品としては、いずれもハズレではない極上のミステリーだと思います。
以下の引用はすべて、Amazonの「内容紹介」から。
まずは、宮部みゆき。「東西ミステリーベスト100」第5位の「火車」。
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して――なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか? いったい彼女は何者なのか? 謎を解く鍵は、カード社会の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。
個人的には、「スナーク狩り」もスピード感があっておすすめです。
岡嶋二人の「クラインの壺」。 表裏のない二次元曲面を「メビウスの帯」といいますが、その三次元版が「クラインの壺」です。
ゲームブックの原作募集に応募したことがきっかけでヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることになった青年、上杉。アルバイト雑誌を見てやって来た少女、高石梨紗とともに、謎につつまれた研究所でゲーマーとなって仮想現実の世界へ入り込むことになった。ところが、二人がゲームだと信じていたそのシステムの実態は……。現実が歪み虚構が交錯する恐怖!
新本格ミステリーの草分けである綾辻さんはデビュー作の「十角館の殺人」が衝撃的ですが、作品としては「時計館の殺人」がよくできています。「東西ミステリーベスト100」第20位。
鎌倉の外れに建つ謎の館、時計館。角島・十角館の惨劇を知る江南孝明は、オカルト雑誌の“取材班”の一員としてこの館を訪れる。館に棲むという少女の亡霊と接触した交霊会の夜、忽然と姿を消す美貌の霊能者。閉ざされた館内ではそして、恐るべき殺人劇の幕が上がる!第45回日本推理作家協会賞に輝く不朽の名作。
15年ぐらい積ん読していて、ようやく昨年読んだ京極夏彦の「姑獲鳥の夏」。もっと早く読めばよかった「東西ミステリーベスト100」第23位の作品。
この世には不思議なことなど何もないのだよ―古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。東京・雑司ケ谷の医院に奇怪な噂が流れる。娘は二十箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。文士・関口や探偵・榎木津らの推理を超え噂は意外な結末へ。
直木賞&江戸川乱歩賞ダブル受賞作とは知りませんでした。「東西ミステリーベスト100」第47位の藤原伊織「テロリストのパラソル」。
新宿に店を構えるバーテンの島崎。ある日、島崎の目の前で犠牲者55人の爆弾テロが起こる。現場から逃げ出した島崎だったが、その時置き忘れてきたウイスキー瓶には彼の指紋がくっきりと残されていた……。
寡作で有名な土屋隆夫さん。「危険な童話」の評価が高いのですが、後期作品の「不安な産声」や「盲目の鴉」の方が読み応えがあります。
大手薬品メーカー社長宅の庭で、お手伝いが強姦・絞殺された。容疑者として医大教授・久保伸也の名が挙がり、犯行を自供する。名誉も地位もある男がなぜ?しかも、久保にはアリバイがあり殺害動機もなければ証拠もない。担当検事・千草がみた、理解を超える事件の裏に隠された衝撃の真相とは…?斬新な手法を駆使した日本推理小説史上に残る記念碑的作品。
最高に面白いユーモアミステリー「大誘拐」。「東西ミステリーベスト100」第7位。
刑務所の雑居房で知り合った戸並健次、秋葉正義、三宅平太の三人は、出所するや営利誘の下調べにかかる。狙うは紀州随一の大富豪、柳川家の当主とし子刀自。身代金も桁違い、破格ずくめの斬新な展開が無上の爽快感を呼ぶ、捧腹絶倒の大誘劇。天藤真がストーリーテラーの本領を十全に発揮した、第三十二回日本推理作家協会賞受賞作。
上で紹介した各ミステリーは何となく内容を覚えていますが、「私が殺した少女」は完全に忘れています。しかし、非常によかった記憶だけがあり、是非もう一度読みたいと思ったので。「東西ミステリーベスト100」第26位。
まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。私立探偵沢崎の事務所に電話をしてきた依頼人は、面会場所に目白の自宅を指定していた。沢崎はブルーバードを走らせ、依頼人の邸宅へ向かう。だが、そこで彼は、自分が思いもかけぬ誘拐事件に巻き込まれていることを知る…緻密なストーリー展開と強烈なサスペンスで独自のハードボイルド世界を確立し、日本の読書界を瞠目させた直木賞・ファルコン賞受賞作。
とある番組で、くりぃむしちゅーの有田が絶賛していた乾くるみさんの「イニシエーション・ラブ」。一見、女性が書いた恋愛小説にも思えるこの作品には、見事にだまされました。賛否両論ですが、「東西ミステリーベスト100」第74位です。
僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。
最後に「百舌の叫ぶ夜」、 この作品も「東西ミステリーベスト100」の第97位にランクインしています。
能登半島の突端にある孤狼岬で発見された記憶喪失の男は、妹と名乗る女によって兄の新谷和彦であると確認された。東京新宿では過激派集団による爆弾事件が発生、倉木尚武警部の妻が巻きぞえとなり死亡。そして豊明興業のテロリストと思われる新谷を尾行していた明星美希部長刑事は…。錯綜した人間関係の中で巻き起こる男たちの宿命の対決。その背後に隠された恐るべき陰謀。迫真のサスペンス長編。
(補足)
ミステリーは、行き当たりばったりで買うとハズレ作品に当たることも多いです。ですので、ブックガイドとして、このランキング本を活用しています。
週刊文春臨時増刊 東西ミステリー ベスト100 2013年 1/4号 [雑誌]
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(参考記事)
最近読んだ必ず再読する予定の5冊 - igawa's Blog
ここ10年に読んだ本で再読したいもの - igawa's Blog