読売新聞の書評コーナーから選んだ『紋切型社会』ほか一冊
先週はお休みしていました「本よみうり堂」からの紹介です。今週は二冊。
武田砂鉄『紋切型社会』
- 作者: 武田砂鉄
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2015/04/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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1982年生まれのライターが書いたデビュー作。世の中にあふれる紋切り型のフレーズを通して考えた社会批評の本です。
披露宴で花嫁から両親への手紙に出てくる「育ててくれてありがとう」とか、映画の宣伝文句「全米が泣いた」など、軽く流してしまいがちな言葉に立ち止まり、ねちっこく考え、思考を連鎖させているとのことで、これは面白そうです。
ブログを書くときはもちろん、会社で文書を作る際にも参考になるかも。
「紋切り型を伐採するのが目的じゃない。限られた言葉によって僕らの思考も固まり、選択肢を許さない社会になっていないか。そこを問題にしたかった」(著者)
池田純一『<未来>のつくり方』(評:東京大教授、政治学者 牧原出)
〈未来〉のつくり方 シリコンバレーの航海する精神 (講談社現代新書)
- 作者: 池田純一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/05/20
- メディア: 新書
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ウェブ上の記事はハイパーリンクを使ってあちこちのリンク先を読ませることが可能ですが、本の場合は単線的に語っていくしかありません。
そこで著者は、情報技術のイノベーションの歴史及びウェブを生んだアメリカ社会の伝統、という二つの時間軸の観点から語っています。
牧原さんによる書評の冒頭部分(下記)だけで、読みたくなりました。
出色のウェブ論である。著者は情報技術について熟知している。そしてウェブで語ることと紙媒体で語ることとが異なることを十分意識しながら、ウェブについて語るのである。
ではまた…