igawa's Blog

おもに読書と本に関するブログですが、Mac/iPhone、数学、音楽の話題など例外の方が多いかもしれません。

プレゼンで 自分自身をどう位置づけるか

「TEDトーク 最高のプレゼン術」(ジェレミー・ドノバン著、新潮社)を読みました。 

TEDトーク 世界最高のプレゼン術

TEDトーク 世界最高のプレゼン術

 

 TEDとは、Technology, Entertainment, Designの3つの分野から感動や衝撃をもたらすアイデアを紹介し、広めていくことを目的としたNPOです。主な活動は、会員だけが参加できるカンファレンスの開催と、プレゼンテーション動画のインターネット無料配信です。

TEDのステージに立つプレゼンターは、偉業を果たした人たちだけでなく、自分の身に起こった驚きのストーリーを語ってくれる人たち、つまり私たちと同じ普通の人たちも登場します。

本書は、人気の高いTEDトークを徹底的に研究し、聴き手にインスピレーションを与えるスピーチのハウツーを紹介したものです。トピックの選び方、ストーリーの組み立て方、実際のスピーチの仕方、洗練されたデザインの手法など、プレゼンテクニックのエッセンスがいっぱい詰まった本です。

聴衆の心を動かすスピーチのためのテクニックが満載ですが、ここでは、プレゼンを行う自分自身をどう位置づけるかについて3つの点でなるほど!と思ったので、メモしておきます。

自分以外の誰かをヒーローにする

例えば、スピーチのテーマとして「これまでの人生で得たいちばん大事な教訓」を選んだとします。核となるアイデアが見つかったら、ストーリーと事実を積み重ねながら、聴衆を主体としたトークを組み立てていきます。このときの大事なポイントが「誰からその教訓を得たのか?」ということ、つまり、自分以外の誰かをヒーローにすることが、人の心を動かすストーリー作りのコツとなります。

ヒーローである誰かを、自分より上に位置づけるということです。

自虐ネタを放つ

スピーチにユーモアを盛り込むことは必須だと思います。私たちは、社会人として体裁を保つことに汲々としていますので、話し手が心のガードをはずして人間らしさをのぞかせると、聴き手は自然と嬉しくなって笑ってしまいます。特に、自虐的なユーモアは簡単で、なおかつ効果絶大なテクニックです。

自分を下げることで、聴衆を上に位置づけるということです。

紹介者(司会者)を巻き込む

プレゼンターを紹介する司会者(MC)が下手で、せっかくのスピーチが台無しだと思ったことはありませんか? 素晴らしい紹介文の特徴は、単なる経歴ではなくプレゼンターがこれから伝えるコアメッセージに関係した内容であること、聴衆にどう役立つのかが示されていることが必要です。

そしてもう一つ大事なのは、プレゼンターを並外れた人物として祭り上げるのではなく、司会者から信頼できる人物だと聴衆に印象づけてもらうことです。

 

他のプレゼン本との違い

プレゼンに関する本はたくさんありますが、本書はTEDの動画が見れることが大きなメリットです。TEDに登場するプレゼンターたちのトークを聴き、話す姿を見れば、本書に書かれている内容が理解しやすいのではないかと思います。

 

最後に、いくつかの動画を紹介しておきます。


ケン・ロビンソン「学校教育は創造性を殺してしまっている」(2006) - YouTube


02サイモン シネック 優れたリーダーはどうやって行動を促すか - YouTube 


ダニエル・ピンク 「やる気に関する驚きの科学」 - YouTube