「よみうり堂」の書評から選んだ『進化とは何か』ほか1冊
日曜日は、新聞の書評欄から気になる本を選んで記事にする、ということにして3週目です。週に1回、ブログに書くネタ探しが楽になりました。
長野浩典『生類供養と日本人』(評:エッセイスト 平松洋子)
- 作者: 長野浩典
- 出版社/メーカー: 弦書房
- 発売日: 2015/02/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
日本中には、かに供養地蔵(大分・臼杵)、戦没馬慰霊像(靖国神社)など、さまざまな供養塔や墓が見つかるそうです。本書は、歴史学の研究者が、なぜこれほどまで動物の供養に熱心なのかを探るため、日本各地を訪ね歩いたものです。
著者は、供養とは罪悪感から解放される装置であり、輪廻転生という仏教的観念と結びついていると読み解く。つまり、生類供養にはヒトも含まれているのだ。(中略)供養する行為が増殖したのは産業が発達する明治以降、さらに大量生産と大量消費、レジャーや趣味にいたるまで現在も夥しい供養の産物が生まれ続けている。日本人は罪悪感という煩悩にとことん弱いらしい。
リチャード・ドーキンス『進化とは何か』(評:作家 宮部みゆき)
- 作者: リチャードドーキンス,吉成真由美
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (5件) を見る
本書は、ドーキンス博士が1991年に行った子ども向けレクチャー(全5回)の書籍化ですので、進化論の入門書として最適かもしれません。『ソロモンの偽証』や『火車』で有名な宮部みゆきの書評がイマイチ面白くなかったのですが、読んでみたいので採り上げました。
レクチャーの本題は「宇宙で成長する」。この「成長する」には三つの意味があるという。一つ目はあなたや私の成長である「個体発生」。二つ目は惑星上のすべての種や生命体が進化の過程を経てゆく「系統発生」。三つ目は「宇宙に対する大人の認識を持つということ」。三つ目のお題を見ればわかるように、博士はこの特別講義で、自身の専門である生物進化論を核に、自然科学そのものの意味と価値を説いている。
ではまた…