igawa's Blog

おもに読書と本に関するブログですが、Mac/iPhone、数学、音楽の話題など例外の方が多いかもしれません。

「よみうり堂」の書評から選んだ『進化とは何か』ほか1冊

日曜日は、新聞の書評欄から気になる本を選んで記事にする、ということにして3週目です。週に1回、ブログに書くネタ探しが楽になりました。 

 

長野浩典『生類供養と日本人』(評:エッセイスト 平松洋子 

生類供養と日本人

生類供養と日本人

日本中には、かに供養地蔵(大分・臼杵)、戦没馬慰霊像(靖国神社)など、さまざまな供養塔や墓が見つかるそうです。本書は、歴史学の研究者が、なぜこれほどまで動物の供養に熱心なのかを探るため、日本各地を訪ね歩いたものです。

著者は、供養とは罪悪感から解放される装置であり、輪廻転生という仏教的観念と結びついていると読み解く。つまり、生類供養にはヒトも含まれているのだ。(中略)供養する行為が増殖したのは産業が発達する明治以降、さらに大量生産と大量消費、レジャーや趣味にいたるまで現在も夥しい供養の産物が生まれ続けている。日本人は罪悪感という煩悩にとことん弱いらしい。

 

リチャード・ドーキンス『進化とは何か』(評:作家 宮部みゆき 

進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義

進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義

本書は、ドーキンス博士が1991年に行った子ども向けレクチャー(全5回)の書籍化ですので、進化論の入門書として最適かもしれません。『ソロモンの偽証』や『火車』で有名な宮部みゆきの書評がイマイチ面白くなかったのですが、読んでみたいので採り上げました。

レクチャーの本題は「宇宙で成長する」。この「成長する」には三つの意味があるという。一つ目はあなたや私の成長である「個体発生」。二つ目は惑星上のすべての種や生命体が進化の過程を経てゆく「系統発生」。三つ目は「宇宙に対する大人の認識を持つということ」。三つ目のお題を見ればわかるように、博士はこの特別講義で、自身の専門である生物進化論を核に、自然科学そのものの意味と価値を説いている。 

 

ではまた…