誰も失敗しない「笑点の大喜利」という仕掛け!?
東大の先生(中原淳准教授)のブログで、面白いエントリーを発見しました。
NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 誰も失敗しない「笑点の大喜利」という仕掛け!?
ご承知のように、「笑点」は、日曜日の夕方に放送されている寄席風バラエティですが、メインの「大喜利」は、演出の観点からみると、非常によくできているシステムらしいのです。 どういう点で優れているかというと、誰も失敗しないように設計されているからとのこと。
「大喜利」では、落語家が面白いことを言ったら、お客さんは当然笑えます。ぎゃはは。しかし落語家がすべってしまったとしても、「山田君、座布団もってきなさい!」「ひぇー」ということで、また笑いをとれる仕組みになっています。ひゃはは。
要するに、「大喜利」では、ウケたとしても、ウケなかったとしても、「笑いがとれるシステム」になっている。このような環境下において、落語家は安心して、リスクをとりつつも、ネタを披露することができるのだそうです。安心できるからウケをとれる。思いついたことを言える。たとえ、それがウケようがウケまいが、お客さんは面白がるようにできている。
確かに、お題を投げられてすぐ「面白いこと」を言うのは大変です。「大喜利」では、尻込みしていてはダメで、沈黙は許されません。しょーもないことであっても、すぐに誰かが手をあげて言わなくてはならないんですが、その結果ウケてもウケなくても損をしない仕掛けになっているということです。なるほど。
一方、観客からは「大喜利」にそのような仕掛けがあるようには見えません。あくまで落語家がウケを狙った答えに対して笑っているように思えます。
まさか「大喜利」が「誰も失敗しないシステム」であるとは気がつかないでしょう。
このズレを知らず知らずのうちに創り出すってのは、スゴイことですね。こういうプラットフォームを創れる人を「天才」というのかな、と思いました。
この仕掛けを意図して作ったかどうかは分かりませんが、このことに気づいた人もまたスゴイと思います。