連城三紀彦『戻り川心中』
本屋で平積みされていた「国内短編ミステリー 第1位」という文字に影響されて買ってしまいました。
実は、30年ぐらい前に一度読んでいてタイトルに記憶があったのですが、内容はきれいさっぱり記憶がなくなっていたので、読んでみたくなったものです。
きれいさっぱりというのは嘘で、ストーリーやトリック等は完璧に覚えていませんが、大正から昭和初期を舞台にしている小説の雰囲気だけはハッキリと覚えていました。
本書は、花をテーマとした5つの短編ミステリー集ですが、有名な表題作に限らず、いずれも事件の背後にある動機とそれを表現する格調高い文章がマッチしていて、読みごたえのある作品です。
大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。岳葉が真に愛したのは? 女たちを死なせてまで彼が求めたものとは? 歌に秘められた男の野望と道連れにされる女の哀れを描く表題作は、日本推理作家協会賞受賞の不朽の名作。耽美と詩情 ーー ミステリ史上に輝く、花にまつわる傑作五編。
ではまた…
- 作者: 連城三紀彦
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 文庫
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