igawa's Blog

おもに読書と本に関するブログですが、Mac/iPhone、数学、音楽の話題など例外の方が多いかもしれません。

緑茶やコーヒーを毎日多く飲むと、心臓病や脳卒中などで死亡するリスクを低下させる。

5月8日付の新聞で、東大や国立がんセンターなどの研究チームが発表した標題の記事を発見しました。全国の40〜69歳の健康な男女約9万人を1990年以降、平均19年間追跡調査した結果だそうです。

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(出典:読売新聞)


一応、国立がんセンターのウェブサイトに掲載されている情報も確認してみたところ、コーヒーに関する調査結果については、次のように報告されています。(緑茶よりコーヒーが気になるので)

コーヒーをほとんど飲まない群を基準として比較した場合、1日1杯未満、1日1~2杯、1日3~4杯、1日5杯以上の群の危険度(95%信頼区間)は、それぞれ全死亡で0.91 (0.86 ~0.95)、0.85 (0.81~0.90)、0.76 (0.70~0.83)、0.85 (0.75~0.98)となっていました(図1)。すなわち、コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、全く飲まない人に比べ24%低いことが分かりました。さらに、飲む量が増えるほど危険度が下がる傾向が、統計学的有意に認められました(図1)。

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偶然ですけど、私は1日3〜4杯のコーヒーを飲んでいます。まあ嬉しい結果ではありますが、本当でしょうか?

それなりに信頼できる組織が9万人もの人を対象にして19年間も継続しているので、確かにそういった発表する意味のある結果が出たのだと思います。(逆に、19年間も続けてきたので何らかの結果を出さないといけない、というプレッシャーがなかったのか気になるところです)

しかし、統計学的に有意な結果であるとはいえ、人によって大きく異なる人間の活動をたった一つの飲み物だけで比較することが可能なのか疑問が残りますし、そもそもコーヒーを飲むことによるリラックス効果で死亡率が下がっているだけで、コーヒーそのものが有効なのかどうか分からないような気もします。

 

ちなみに、コーヒー摂取による死亡リスクの低下については次のように分析されていますが、こちらの方は大した根拠がなく、想定でしかないようです。

第一に、コーヒーに含まれるクロロゲン酸が血糖値を改善し、血圧を調整する効果がある上に、抗炎症作用があるといわれています。第二に、コーヒーに含まれるカフェインが血管内皮の機能を改善する効果があるとされています。また、カフェインには気管支拡張作用があり、呼吸器機能の改善効果があるのではないかと言われています。これらの効果が、循環器疾患や呼吸器疾患死亡につながる危険因子の調整に寄与しているのかもしれません。

コーヒーは身体によくないという説もときどき耳にしますから、少なくともコーヒー党としてはホッとする記事でした。

 

ではまた…