igawa's Blog

おもに読書と本に関するブログですが、Mac/iPhone、数学、音楽の話題など例外の方が多いかもしれません。

読書委員の方が薦める毎年恒例の「夏休みの一冊」

今週の「本よみうり堂」は、読書委員の方が薦める毎年恒例の「夏休みの一冊」で、今年のテーマは「夏が来れば思い出す」。

 

21人の読書委員のそれぞれが、夏の記憶をよみがえらせる一冊を選ばれています。その21冊の中から、自分が読みたい本を3冊ピックアップしました。 

 

松尾芭蕉『おくのほそ道』(評:俳人 高野ムツオ) 

芭蕉 おくのほそ道―付・曾良旅日記、奥細道菅菰抄 (岩波文庫)

芭蕉 おくのほそ道―付・曾良旅日記、奥細道菅菰抄 (岩波文庫)

実はわたし、松尾芭蕉の「奥の細道」には足を向けて寝られません。なぜなら、高校のとき国語が超不得意科目だったのですが、 共通一次試験(今のセンター試験)でなんと有名な「月日は百代の過客にして…」で始まる冒頭部分が出題されたのです。通常、古文の問題は知らない文章が出題されるので模試では全く点が取れなかったのですが、教科書で勉強していたので本番で古文はほぼ満点でした。

短いが、現実と歴史との間を自在に行き来する詩的スペクタクルとしての紀行文である。平泉の「夏草」や「五月雨」に千年の盛衰や存在の変不変を思い、山寺の「蝉の声」に森羅万象の命のありようを聞く。そして、佐渡の「天の川」に宇宙の永遠性と人間のはかなさを想望する。音読によって、自らが発する言葉と交換できる貴重な一冊。 

 

遠藤周作『沈黙』(評:旧約聖書学者・上智大学特任教授 月本昭男) 

沈黙 (新潮文庫)

沈黙 (新潮文庫)

ピース又吉選書フェアでも取り上げていた本。長崎出身の私としては、読んでおきたい一冊です。 本書と関係ありませんが、そういえば 8月9日は長崎原爆記念日です。

遠藤周作『沈黙』を読んだのは、高校3年の夏休み。キリスト教の研究を志す受験生は、国語を教えるY先生から、その春に刊行されたこの小説を読むように勧められたのである。いたく心を揺すぶられた私は、翌年の夏休みに長崎を訪れ、作家が衝撃を受けたという、摩滅した踏み絵を自分の目で確かめた。 

 

開高健『地球はグラスのふちを回る』(評:政治学者・東京大教授 牧原出) 

地球はグラスのふちを回る (新潮文庫)

地球はグラスのふちを回る (新潮文庫)

著者が、今年読んで衝撃を受けた小説『輝ける闇』の開高健だと知って、ぜひ読まねばと思いました。本書は世界の酒や食に関するエッセイですが、小説とはまた違った味わいがありそうです。

夏といえば冷えたビール、と思うようになったのはいつのことか。最近特に夏、ビールやら何やらを一人飲んでいると、不思議とこの本を思い出す。中学時代、まだ酒の味も分からないのに読み耽った。 

 

ではまた…

 

関連エントリー