igawa's Blog

おもに読書と本に関するブログですが、Mac/iPhone、数学、音楽の話題など例外の方が多いかもしれません。

タイトルに「哲学」が入っている本

うちの収納庫の中から、「捨てる哲学」という本を発見しました。

ずいぶん前に読んで面白かった記憶がありますが、細かなことは覚えていません。モノへの執着をなくして、すべてを捨ててしまいなさい、といった内容だったと思います。

本の表紙に書かれている「おもいっきり捨てると不安・心配が消える!」「人・物・金はあとからついてくる」という言葉には違和感がありませんが、「心理学博士、神学博士、遺伝子活性研究所所長」という著者の肩書きには、今思えば少し怪しげな宗教のにおいも感じます。 

捨てる哲学

捨てる哲学

残念ながら絶版になったのか、Amazonでは中古品しか手に入りません。怪しげとは言いましたが、私が以前もっていたいろんな意味でのコダワリを捨てたのもこの本を読んだからでしたので、私にとっては悪くない「哲学」の本です。

 

というわけで(?)今回は、私の本棚の中にある、タイトルに「哲学」と名のつくおすすめの本を探してみました。もちろん、ソクラテスプラトンのような本物の哲学の本を好んで買うはずはありません。単にタイトルに「哲学」と入っているだけですので、ご安心ください。

 

野矢茂樹『哲学の謎』

著者は、以前紹介した『無限論の教室』と同じ東大の哲学の先生です。ですので、内容は本物の哲学ではありますが、平易な会話調の文で書かれていて読みやすく、身近なテーマから哲学を考えることができます。秋の夜長には、たまにはこういった気楽に考えさせられる本もいいのではないでしょうか。 

  • 地球上からいっさいの生物が絶滅しても夕焼けは赤いのか?
  • 「世界は5分前に始まった」説には反駁できない?
  • 時間の流れの速さは時速一時間?
哲学の謎 (講談社現代新書)

哲学の謎 (講談社現代新書)

 

高橋昌一郎ゲーデルの哲学』

本書のテーマは、ゲーデルの「不完全性定理」と「神の存在論」です。後者は哲学といえますが、前者はどちらかというと数学になります。

「はじめに」で著者は、『「ゲーデル」や「不完全性定理」という名称を初めて耳にする読者が対象であり、数学・哲学・論理学に関する予備知識は必要としません』とは言っていますが、多少の予備知識がないと正直きついかもしれません。

それでもこの本は、以前読んで衝撃を受けた第1章「不完全性定理のイメージ」だけでも価値ある名著です。

ゲーデルの哲学 (講談社現代新書)

ゲーデルの哲学 (講談社現代新書)

不完全性定理だけでなく神の存在論的証明も面白そうなので、もう一度じっくり読んで紹介するつもりです。

 

永淵閑『哲学する!練習帳』

サブタイトルは、「そのときあなたはどうしますか?」。

「哲学する」とは、自問自答することだと私は思っています。つまり自らに問いかけ、自らに答えることだろうと思います。それも具体的な場面に遭遇したとき、「あなたならどうしますか?」という問いに答えることではないかと考えています。

本書は、興味深い10のエピソードをテーマに、著者が読者とともに「哲学する」旅に出るようになっています。数年前のマイケル・サンデル教授の白熱教室に似ているかもしれません。

例として、第1章の哲学問題を紹介します。

南インドを貧乏旅しているあなたに、七歳ぐらいの乞食の女の子がお金を恵んでくださいと言って近づいてきました。あなたが冗談で同じ言葉、動作を示すと、女の子はポケットから小銭を全部出し、その半分をくれようとしました。さて、あなたならどうしますか?  

「哲学する!」練習帳―そのとき、あなたならどうしますか?

「哲学する!」練習帳―そのとき、あなたならどうしますか?