橋本幸士『超ひも理論をパパに習ってみた』
むかし学校の授業で、物質の最小単位は陽子と電子からなる原子だと習いました。
その後さらに小さな素粒子へと研究が進んでいるようですが、それはいいとして、最小の単位は点(粒子)のイメージだと思います。
ところが、最小単位は粒子ではなく「ひも」のようなものだというのが本書の「超ひも理論」です。
超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義 (KS科学一般書)
- 作者: 橋本幸士
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/02/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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確立された理論ではなく、まだ仮説のようですが、一般相対性理論と量子力学を統一する究極の理論として研究されている最先端の物理学です。
この分野に興味があって何冊か本を読みましたが、さっぱり分かりませんでしたので、この本ならと期待して読みました。ずいぶん分かりやすくはあったのですが、でもやはり、難しいものは難しいですね。
そのなかで、覚えておきたい話を一つだけ、自分用メモとして残しておきます。
超ひも理論では、輪ゴムのような「閉じたひも」と、ちょん切れた輪ゴムのような「開いたひも」の2種類があって、重力は閉じたひも、光は開いたひもなんだそうです。重力と光は、そもそもまったく別物のような気がしますが、開いているか閉じているかだけの違いで、重力と光(電磁気力)を統一的に説明できるのが究極たる所以です。
「素粒子が小さなひもだったら、何が変わるの?」
「そこがポイントやな。じつは、素粒子がひもやったとすると、自動的に光と重力が出てくるねん!スゴいやろ!」
「え、どこがどうスゴいの?」
「そやかてな、この世の中に、なんで光の電磁気があって、ほんで、なんで重力があるか、なんて誰が決めたんや。誰も決めてへんやろ。カミ様ホトケ様が決めたんやとしたら、それは科学ちゃうやろ。けどな、もし、素粒子がひもやったら、なんと自動的に電磁気力と重力が出てくるんや。誰も決めんと、な」(p125)
パパはなぜか関西弁です。
おわりに
以前、物理学者の大栗博司先生が娘さんに向けて書いた数学の本『数学の言葉で世界を見たら』を紹介しましたが、似たようなコンセプトの本です。
ではまた…
- 作者: 大栗博司
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/03/18
- メディア: 単行本
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