子どもたちへの一番大切な贈りもの『センス・オブ・ワンダー』
生物学者の福岡伸一が著書『福岡ハカセの本棚』の中で薦めていた『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン著)を読みました。
「センス・オブ・ワンダー」とは、著者が世界中の子どもに授けたいと思っている、生涯消えることのない「神秘さや不思議さに目を見はる感性」のことです。
本書では、まずはじめに、著者カーソンが毎年夏の数か月を過ごした米国メイン州の自然が詩的に語られていきます。
ある嵐の夜、カーソンは甥のロジャーをつれて雨の降る暗闇のなかを海岸へ降りていきました。海辺には大きな波の音がとどろきわたり、波しぶきを投げつけ、二人は真っ暗な嵐の夜に、広大な海と陸との境界に立ちすくんでいました。そのとき、不思議なことに二人は、心の底から湧き上がるよろこびに満たされて、いっしょに笑い声をあげるのです。
メイン州の自然からはじまる本書は、カーソンが世界中の親たちに届けたいメッセージです。中盤部分から、少しだけ引用します。
生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮にたもちつづけるためには、わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる必要があります。
わたしは、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭をなやませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要でないと固く信じています。
もし、あなたは自身は自然への知識をほんのすこししかもっていないと感じていたとしても、親として、たくさんのことを子どもにしてやることができます。たとえば、子どもといっしょに空を見上げてみましょう。そこには夜明けや黄昏の美しさがあり、流れる雲、夜空にまたたく星があります。
小さなお子さんをお持ちの方、これから親になる方には特に読んでほしい本です。わずか60ページしかありません。
- 作者: レイチェル・L.カーソン,Rachel L. Carson,上遠恵子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1996/07
- メディア: 単行本
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ではまた…