『かぜの科学』〜もっとも身近な病の生態〜
「風邪」はとても身近な病気であるにもかかわらず、解明されていないことも多く、いまだにワクチンや特効薬がありません。
それはなぜなのか、そもそも風邪とは何なのか、風邪を撃退することはできるのか、本当に効く療法は何なのでしょうか?
かぜの科学:もっとも身近な病の生態 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ジェニファー・アッカーマン,鍛原多惠子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/12/19
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (4件) を見る
本書では、著者自ら体を張って罹患実験に参加したり、病原体や治療薬などの研究結果を丹念に調べることで、風邪の正体に迫り、民間療法や市販薬の効果のほどを明らかにします。
私たちはいかに風邪を誤解してきたか、これまでの常識を覆す一冊です。
風邪の正体
風邪の諸症状はウイルスの破壊的影響ではなく、こうした侵入者に対する身体反応の結果である。換言すれば、風邪は私たち自身がつくり出していることになる(p95)
つまり、体の細胞に直接損傷を与えるインフルエンザウイルスとは異なり、風邪ウイルスは、普段は眠っている身体プロセスを活性化するのだそうです。
ということは、鼻水、咳、喉の痛みなどは、風邪の症状(被害)というより、体の正常な防御作用ということになります。
よくある俗説
これらはすべて、間違いとのこと。
- 免疫力が下がると風邪にかかる
- 風邪には抗生物質が効く
- 風邪の予防にはビタミンCが効く
それぞれの説明は割愛しますが、読み物としても面白い内容でした。
対策としては、十分な睡眠時間をとるのが一番よさそうです。
本書を読めば、嫌な風邪も可愛く思えてくるかもしれません。
ではまた…