igawa's Blog

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倉島保美『論理が伝わる世界標準の「議論の技術」』

ブルーバックスの『論理が伝わる世界標準の「議論の技術」』を読みました。

日本人は議論が苦手と言われますが、下手なのではなく、単に「議論の技術」を知らないだけなので、「議論の技術」を知りさえすれば、わずかな時間で議論上手になれるそうです。 

議論上手になれるための 基本技術は、本書の第2部に出てくる次の5つです。

  1. 伝達の技術 分かりやすい話し方とは?
  2. 傾聴の技術 議論の流れを正しく把握する方法
  3. 質問の技術 論点を深める効果的な聞き方とは?
  4. 検証の技術 間違った意見に惑わされない方法
  5. 準備の技術 議論のシナリオを作り予防線を張る

しかし、私が特になるほど!と思ったのは、そこではなく、前段の第1部「議論の基礎」に書かれていた議論に関する基本ルール(のうちの一つ)です。

 

それは何かというと、

 言い出した側が証明する(立証責任)

ということ。

 

これって当たり前のことを言ってるような気がしますが、会議などの場で、私は案外これに気づいていないことに気づきました。

主張する者は、その主張の正当性を立証しなければなりません(立証責任)。この立証責任は重いので、相手が立証すべきときに、自ら立証してはいけません。まずは、相手が立証するように促しましょう。 

 

主張を聞いている側に立証責任はありませんから、主張する側が立証責任を果たさない限り、反論する必要はありません。ですから、むやみに立証責任を負ってはいけないのですが、例えば以下の会話では、A氏が立証責任を果たす前に、B氏が反論を始めてしまっています。

 

A氏:「この難局を乗り切るには、人事制度の抜本的改革が必要だよ。思い切った成果主義を導入すべきだ」
B氏:「ちょっと待ってください。成果主義を導入すると、・・・・」

 

私もよく、根拠を聞く前に反論してしまってます。
B氏は、「なぜ思い切った成果主義を導入すべきなのですか?」と、反論の前に根拠を聞くのが正解です。

 

このほか4つの守るべき基本ルールがあり、議論の技術よりそちらが参考になりました。

 

本書は、同じ著者の『論理が伝わる世界標準の「書く技術」』、『論理が伝わる世界標準の「プレゼン術」』の続編のようです。

 

ではまた…
 

論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 (ブルーバックス)

論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 (ブルーバックス)

論理が伝わる 世界標準の「プレゼン術」 (ブルーバックス)

論理が伝わる 世界標準の「プレゼン術」 (ブルーバックス)