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佐渡裕『棒を振る人生』(PHP新書)

 

クラシック音楽を聴く人って、どれくらいの割合なのでしょうか?

少数派であることは間違いありません。ファンがもっと増えてほしいと思うのですが、私の周りにクラシック音楽に関する会話ができる人がほとんどいないのが少し残念です。
他の芸術より優れているとか音楽の中で一番偉いとか、そんなレベルの話がしたいわけではありません。実際、聴きながら身体がゾクゾクするような感覚は、何ものにも代えがたい体験ですので、ぜひ多くの人に聴いてほしいと思っていましたが、まさにそういうことが書いてある本を読みました。 

棒を振る人生 (PHP新書)

棒を振る人生 (PHP新書)

いま世界で活躍している日本人指揮者といえば、佐渡裕さんでしょう。日曜朝の「題名のない音楽会」の司会もされています。

国内でも、演奏会のチケットはあっという間に売り切れてしまうほどの人気があります。
その佐渡さんの3冊目になる著書が本書『棒を振る人生』です。

第1章 楽譜という宇宙
第2章 指揮者の時間
第3章 オーケストラの輝き
第4章 「第九」の風景
第5章 音楽という贈り物
第6章 新たな挑戦

佐渡さん最初の著書『僕はいかにして指揮者になったのか』の方が勢いがあって面白いのですが、本書では佐渡さんの真面目な人柄とクラシック音楽への思いがよく伝わってきます。

冒頭に、「聴きながら身体がゾクゾクするような感覚」と書きましたが、第5章「音楽という贈り物」の中に その感覚に近い表現がありました。佐渡さんが本書で一番言いたかった部分ではないかと思います。

確かにクラシックは以前よりも身近な存在になったし、また、「1万人の第九」などの演奏会や「題名」という音楽番組を通じて、そうなるよう僕も努めてきた。かしこまった空気は苦手だし、お高くとまった雰囲気も趣味ではない。
しかし、ぜひとも伝えておかなければいけないことがある。矛盾するように聞こえるかもしれないが、あがめたてまつるに値する神々しい世界が音楽にはあるということだ。あるいは、高みに存在する圧倒的に厳かで崇高な作品がある。
たとえばマーラーの「交響曲第二番<復活>」。一般に親しまれている曲ではないが、僕は体が震えるくらいにこの曲に心惹かれ、この作品世界に神を感じて精神がたかぶる。そこに浸るたびに荘厳な音の神殿にいることを実感する。
こればかりは体感してもらわなければ、伝えることはできない。
音楽のよろこびは神様が人間に与えてくれたものだと思う。それは食べるよろこびもそうだし、絵画を見て感動するよろこびもそうかもしれない。

確かにマーラーの「復活」は、神々しい世界を感じます。どの曲にビビビっとくるかは人によって違うでしょうけど、私の場合はベートーヴェンの交響曲第三番です。

ではまた…

 

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