台風についての豆知識
台風8号が過ぎ去りました。福岡の方では幸いにも大きな被害はなかったようです。
今回、台風関連ニュースを聞いていて、今まで何度も聞いている言葉なのに、その意味を実はよく分かっていなかった用語が意外とたくさんあることに気がつきました。(ブログを始めてから、いろんな出来事や言葉等に敏感になってきたのかもしれません)
まあ、知らなくても特に問題ないのですが、せっかく調べたので、気付いたことをここでまとめておきます。
台風の分類(大きさと強さ)
ニュースでは、必ず「大型で非常に強い台風◯号が…」とか「超大型で強い台風◯号が…」というような表現で報道されるのはご存知だと思います。台風の勢力を分かりやすく表現するために、次のように分類されています。
- 大きさ(風速15m/s以上の半径)
〜500km:(特に表現しない)
500〜800km:大型
800km〜:超大型 - 強さ(10分間平均の最大風速)
〜33m/s:(特に表現しない)
33〜44m/s:強い
44〜54m/s:非常に強い
54m/s〜:猛烈な
一定の大きさ・強さ以下の場合には、「特に表現しない」となっていますが、以前は「小型で弱い台風」とか「ごく小さく並みの強さの台風」といったような表現もされていたようです。危険性を過小評価した人が被害に遭うおそれがあるということから、特に表現しないように変更されています。
台風の上陸・接近・通過
上陸、接近、通過については、気象庁のサイトを参考にしました。それぞれ、次のように、定義されています。
- 台風の接近
(ある地点への)接近:台風の中心が、その地点を中心とする半径300km以内の域内に入ること
(ある広がりをもった地域への)接近:台風が、その地域の地理的な境界線(海岸線、県境など)から半径300km以内の域内に入ること - 台風の上陸
台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸に達した場合を言う。 - 台風の通過
台風の中心が、小さい島や小さい半島を横切って、短時間で再び海上に出る場合を言う。
「上陸」とは、本土(本州、北海道、九州、四国)の海岸線まで台風が到達した場合に限って使う言葉のようです。つまり、本土以外には台風は決して「上陸」しないということです。日本で最も多く台風が襲う沖縄では、台風の上陸数は必ずゼロになってしまいます。台風の接近数でいうと沖縄が最も多くなるので、接近数を使う方が台風の影響の大きさを表す指標としては実感に近いのではないかと思われます。
温帯低気圧と熱帯低気圧の根本的な違い
下記サイトの情報を引用させていただきます。
http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/help/life.html.ja#id2
「台風は温帯低気圧に変わりました」という表現は、実は台風の強弱の変化を指す場合ではなく、台風の構造の変化を指す場合に使う表現です。具体的には台風の構造が、熱帯低気圧の構造から温帯低気圧の構造へと変化した場合に使います。ほとんどの場合、この変化は後戻りしません。
一方、これと似た表現である「台風は熱帯低気圧に変わりました」は、台風の構造の変化ではなく、台風の強弱の変化を指す表現です。具体的には、中心付近の最大風速が台風の最低基準を下回った場合に使います。最大風速がたまたま基準を下回っただけですから、熱帯低気圧から台風に復活することもあります。
このように、台風から温帯低気圧への変化は構造の変化を意味し、台風から熱帯低気圧への変化は強弱の変化を意味します。この違いを理解すれば、「台風は熱帯低気圧に弱まった」という表現はおおむね正しいけれども、「台風は温帯低気圧に弱まった」という表現は正しくないことがわかります。「台風は温帯低気圧に強まった」という場合も少なくないのです。
何げなく聞いていた「熱帯低気圧」と「温帯低気圧」。全然意味が違いますね。
「熱帯低気圧」は「台風」の強さが弱いものを言い、「台風」も「熱帯低気圧」も暖かい空気だけで出来ています。一方、「温帯低気圧」は暖かい空気と冷たい空気でできているものを言います。
(参考サイト)
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/haichi2.html
http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/
【2014.8.6追記】