igawa's Blog

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NHK Eテレ 知恵泉「傾いた組織を立て直せ!上杉鷹山(後編)」

25日早朝のW杯コロンビア戦を観るために早めに寝ようと思っていたのですが、先週に続いて表題の番組(6月24日23:00放送)を遅い時間に観てしまいました。先週の記事はこちら。

 NHK Eテレ 知恵泉「傾いた組織を立て直せ!上杉鷹山(前編)」 - igawa's Blog

この記事では、番組の紹介というより、ケネディ元大統領が上杉鷹山を知るきっかけとなった内村鑑三の著書「代表的日本人」の紹介になってしまいましたので、今回はちゃんと内容の紹介をしたいと思います。

 

若くして米沢藩主となった鷹山は、莫大な借金を抱え倒産寸前だった藩を奇跡的に蘇らせるのですが、その改革が軌道に乗り始めた矢先にとんでもない災害が降りかかります。天明の大飢饉です。

下級武士や農民の心をつかみ藩を復活させようとしていた状況の中で、鷹山はどのようにしてこの難局に立ち向かったのでしょうか?

 

知恵その一「マイナス情報を隠すな」

当時はいい加減だった藩の収支報告書を正確に作成させ、マイナス情報も含め全ての藩士に公表させます。現代の経営手法で言うところの「オープンブックマネジメント」ですね。情報が開示されていないと、さまざまな憶測がなされて、ほとんどの場合その憶測からいい結果に結びつくことはありません。収支情報をオープンにすることで、全員に経営者視点を芽生えさせ自発的に考え行動するようになるという手法です。

重臣は、マイナス情報をオープンにするとパニックになるからと言って反対でしたが、事実を伝えることで、藩士たちの危機意識が広がり奮起を促すことになります。

ものごとを偽らずに伝えることは、ある豪商から前藩主が借金どころか利子さえも返せず取り引き停止となった反省から、鷹山は正直に話すことで、信頼を得て新たな借金さえもさせてもらった経験からでした。

マイナス情報が正確に分かっていれば、解決策がみえてくる、同時に解決の方向性も示すことができるというわけです。

知恵その二「成果を実感させろ」

鷹山は和紙を米沢の特産品として売り出すことを考えます。和紙の原料となる木は寒冷地での栽培に適していて、藩内の地域で育成することができると見込みました。

さらに、鷹山は産業育成の工夫を加えます。まず和紙の原料を藩が供給を保証し、生産された和紙はすべて藩が買い上げるという体制を作り上げたのです。

これは、和紙を作れば確実に収入が得られると農民たちに実感させるのが狙いでしたが、見事に当たって、和紙作りに参加する農家が次々と増えます。こうして、製紙業は米沢の重要な産業となりました。

この他にも、自分の収入につながる生産物はないかと考えた人々が、さまざまな商品の開発を鷹山に提案し、「米織」という絹織物など米沢ブランドのヒット商品が生まれていきました。

コストを削減するだけでなく、経営改革のためには収入を上げることも大事であり、成功体験があればモチベーションアップにつながっていくというわけです。

おわりに

この番組「知恵泉」は初めて観ましたが、なかなか面白いですね。次回のテーマは、『心をつかむ手紙術「戦国武将編」』、これもまた面白そう。

戦国時代の武将たちは、外交上の駆け引きや内部の結束のために、現代人以上に手紙を駆使していた。信長・秀吉・家康の三英傑の手紙から、現代にも生かせる知恵を読み解く。 (番組ホームページより) 

 

全一冊 小説 上杉鷹山 (集英社文庫)

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