「はい/いいえ」と「Yes/No」の違い
前回のエントリーで、床屋さんでの「かゆいところありませんか?」という否定疑問文に対して、「はい」と答えても「いいえ」と答えても同じ意味になることを書きました。
今回は、床屋さんで思い出した、日本語の「はい/いいえ」と英語の「Yes/No」の違いについて、意外と知られていないような気がするので紹介します。
否定疑問文に関して、以前アメリカ人に英会話を習っていたときのことです。ひととおりレッスンが終わった後、先生から「Any questions?」と聞かれます。
特に質問がない場合は、「No」と答えますが、先生はさらに「No questions?」と再確認してきます。この「質問ない?」という問いかけに、思わず「はい(ありません)」という意味で「Yes」と答えてしまいますが、質問がないなら「No」が正しいのです。
この先生は、日本人が否定疑問文が苦手だということを理解していたので、あえて答えを間違えやすい「No questions?」という質問をして、生徒を鍛えていました。
散髪で「かゆいところありませんか?」に対して Yes/No が違っていても大したことありませんが、空港で「No drugs?」にうっかり「Yes」と答えると大変なことになりそうです。
当時ちょっとだけ勉強したので、解説しておきますと、日本語の「はい/いいえ」は、相手の意見に対してその通りなら「はい」、違うなら「いいえ」となります。
「質問ありませんか?」
(質問がない場合)→はい(その通り)質問はありません。
(質問がある場合)→いいえ(違います)質問はあります。
英語の「Yes/No」は、自分の主張が肯定ならYes、否定ならNoになります。
「You don't have any questions?」
(質問がない場合)→No(, I don't have any questions.)
(質問がある場合)→Yes (, I have some questions.)
日本語は「相手に合わせる」、英語は「自分に合わせる」ということのようです。否定疑問文ではなく、通常の疑問文なら両者の違いはないんですけどね。