igawa's Blog

おもに読書と本に関するブログですが、Mac/iPhone、数学、音楽の話題など例外の方が多いかもしれません。

「勇気づけの子育て入門」吉村みちこ

「嫌われる勇気」(岸見 一郎、古賀 史健)を読んで、アドラー心理学のスゴさに気がついたことから、アドラー関係の本を少しずつ読んでいます。その重要な概念である「勇気づけ」は、まさに子育てそのものです。

アドラー心理学に基づいた、子育てに関するとてもいい本を発見しました。

 

 吉村みちこさんの「勇気づけの子育て入門」(一光社)

 

22年前に出版された本ですが、現在(H26.2.11)もAmazonで入手できます。

褒美やほめることは、必ずしも子どもをやる気にさせることにはつながらないし、激励することも勇気づけにならないことがあります。では、勇気づけとはどのようにすることなのでしょうか?著者は次のように言います。

  1. 子どもが自分に自信をもつのはどんな時でしょう?自分が受け入れられたり、自分への信頼を示された時ですね。ですから、子どもをありのまま無条件で受け入れ信頼しましょう。
  2. 子どもが能力を伸ばすためには、結果がどうであったかではなくて、どのように努力したのか、どれだけ進歩したのかを認める必要があります。
  3. 子どもが自分を好きになり、自尊心をもつようになるには、子どものしたことがどんなに役立ったのか、どれほど建設的な行動だったのかを伝えることが大切です。

この本では、

  • 朝起きない子どもをどうやって起こすのか?
  • 風呂に入らないという子どもにどう対応するのか?
  • 兄弟喧嘩にどう対処するのか? 

など、親がどうすべきか日々悩んでいるような具体的な8つの事例について、マンガでショートストーリーを紹介した上で、心理学的な解説を行い、マンガでの重要なシーンについてワンポイントコメントをするというパターンで構成されています。マンガだけ読んでも大事なポイントが把握できるので、活字嫌いの人にもよさそうです。

一例を紹介すると、朝起きてこなくて遅刻しそうな場合、親が手を貸す(起こしてやる)のは、三つのマイナス効果があるといいます。

  1. 「あなたは自分で朝起きられないダメな子よ」とのメッセージを毎日送っていることになる。
  2. そのことによって、依存心を育てている。
  3. 親は忙しいままである。

では、どうすればいいのでしょうか?

もちろん起こさないのが正解なのですが、子どもへどう伝えるのかが問題です。アドラー心理学の基本的な考え方の上に立てば、自然と答えは出てくるんです。

 

今まで多くの子育て本を読んできましたが、結局ほとんど身についていませんでした。その結果、実際の子育てに適用できず、我が家では正直言って子育てに失敗した気がします。しかし、このアドラー心理学に基づいた子育て法は、基本的な考え方が分かっていれば、どんなことが起こっても対処できるので、うちの家庭問題が勃発する前にもっと早く出会いたかったものです。

 

勇気づけの子育て入門

勇気づけの子育て入門

 

第一話 朝は眠いのです

第二話 お風呂は嫌いなんだ

第三話 兄弟は喧嘩が好き

第四話 おねしょは自分で

第五話 目には目を

第六話 食べたくないわ

第七話 学校はいかが?

第八話 整理整頓はたのしい

 

 (参考)過去記事

 

 「不登校」をテーマにした続編もあります。(著者は別の方です)

続 勇気づけの子育て入門―「登校拒否」の政夫くんの場合

続 勇気づけの子育て入門―「登校拒否」の政夫くんの場合